栗田城

栗田城について

栗田城は、現在の長野県長野市栗田に位置していた日本の城です。別名、堀之内城とも呼ばれています。この城は、村上氏の一族である栗田氏の居城として利用されていました。

歴史

1369年、春山城を守っていた上遠野左近蔵人が、守護の入国を阻止しようとする村上氏を中心とした国人衆による攻撃を受けました。この事態を受け、信濃国守護でもあった関東管領の上杉朝房は翌年、守護代の藤井下野入道が守備する善光寺（横山城とも言われる）に向けて出陣しました。上杉軍は春山城から氷鉋、平柴へと陣を移しながら転戦し、その過程で善光寺別当であった栗田氏も従わなかったため、栗田城は攻撃を受けることになりました。

栗田氏は城で上杉軍を迎え撃ち、西木戸口で激しい合戦が行われましたが、最終的に上杉軍に制圧されました。この戦いの一連の出来事が、同年の7月に善光寺が焼失する原因になったと考えられています。上杉朝房はその後、関東管領を辞任し京都で亡くなりますが、この合戦が彼の死因となったという説もあります。しかし、栗田氏はこの後も勢力を拡大させていきました。

1477年8月、栗田氏は城から出撃し、隣接する領主である漆田秀豊の館を攻め、漆田氏を打ち破る戦いを繰り広げました。

1553年、宗家の村上義清が武田信玄に敗れて越後に逃れると、栗田永寿（初代）は武田方に降りました。武田氏に属した栗田永寿は、60騎の足軽大将として活躍しました。

1555年の第二次川中島の戦いでは、善光寺別当の栗田鶴寿（栗田寛久）が武田方につき、旭山城に籠って上杉謙信の横山城を牽制しました。これに対抗するため、上杉方も葛山城を築いたとされています。その後、今川義元の仲介により和睦が成立し、栗田鶴寿は善光寺の本尊を持ち出して甲斐善光寺に移ったため、栗田城は破却されることとなりました。

構造と遺構

栗田城は、二重の堀が巡らされた回字形の構造を持つ大規模な城郭であったと伝えられています。現在、城の遺構としては一部の築堤（土塁跡）が残っており、その上には水内総社日吉大神社（栗田神社）の本殿が建てられています。この神社は、明治時代までは現在の場所から北西に約3キロ離れた旧妻科村内に飛び地として存在していました。そこには栗田氏が勧請したとされる日吉神社があり、南石堂町には「山王の森」として知られる場所があり、市の保存樹林に指定されているケヤキの大木や竹薮、土塁跡が見られます。この場所は、栗田城の出城であったとも考えられています。

関連事項

* 日本の城一覧

もう一度検索