旭鷲山昇

旭鷲山昇について

旭鷲山昇（キョクシュウザン ノボル）は、1973年3月8日生まれで、モンゴルのウランバートル出身の元大相撲力士、実業家そして政治家である。彼は本名をダヴァー・バトバヤルと言い、最高位は西小結で、身長は182cm、体重は146kgという体格を持つ。彼の得意技には右四つや上手投げがあり、モンゴル出身力士として初めて関取としての地位を得た存在として知られている。彼の愛称は「シュウ」であり、日本の相撲界においてこの名は広く浸透している。

初めてのモンゴル出身力士

1991年、昭和の大関であった旭国斗雄がモンゴルで力士を募集した際、旭鷲山は170人の応募者の中から選ばれ、日本に渡ることとなる。1992年には初土俵を踏んだが、初めての稽古や日本の生活文化に戸惑いを感じた。彼と共に来日したモンゴルの仲間たちの中には、厳しい稽古に耐えられず脱走してしまった者もいた。しかし、旭鷲山自身は日本での生活に適応し、次第に力士としての技術を磨いていく。

他にも多くのモンゴル人力士を相撲界に誘い入れ、彼自身も早稲田大学に通うことで様々な学びを深め、力士として成長を続けた。特に「旭鷲山発展基金」を設立し、国内の貧しい家庭や子供たちへの支援活動に尽力、さらにはウランバートル市議会から名誉市民としての称号も授与されるほど、母国では英雄的な存在となった。

相撲界での活躍

旭鷲山は1995年に新十両に昇進し、翌1996年には新入幕を達成する。その後、幕内において数々の試合で観客を魅了し、「技のデパート・モンゴル支店」と称されることもあった。例えば、彼は幕内において数々の決まり手を記録し、新たな技術を多く取り入れた活躍が光る。特に、初日からの連勝や数々の金星を引き寄せる場面は、相撲ファンにとって記憶に鮮明だ。

ただし、旭鷲山には厳しい競争があり、特に新三役に昇進した1997年3月場所では大きく負け越してしまう。その後は一貫して平幕に留まり続け、通算58場所連続で平幕在位の記録を持っている。長きにわたり幕内に居続けた理由は、相手を捉えるための技術力と、負け越しをしないように攻撃的な相撲を心がけたからだ。

朝青龍との確執

旭鷲山と朝青龍との関係は、競技内外で注目を浴びることが多く、特に2003年にはトラブルが発生し口論に至ったこともあった。しかし、その後両者は和解し、相撲界におけるライバルでありながらも相互に尊重し合う関係を築くこととなる。

大学進学と引退

2004年には早稲田大学に入学し、学び続ける姿勢を貫いたが、2006年には健康の問題から相撲を引退する決断を下す。引退後は日本国籍を取得せず、祖国モンゴルに帰国する道を選んだ。モンゴルに戻った後は実業家としての活動を始め、建設業や通信、貿易など様々な分野で成功を収めている。

また、彼は2008年の国民大会議議員選挙で民主党から出馬し、見事にトップ当選を果たす。その後も大統領特別補佐官としての役割を果たし、国政にも参画するようになった。さらに、モンゴル相撲協会の会長としても活動する彼の姿は、故郷においても大きな影響力を持つ存在であり続けている。

引退後の活動

旭鷲山の引退後も彼は多岐にわたる活動を展開し、相撲の普及や、モンゴル社会への貢献を目指して精力的に動いている。日々進化するスポーツ界で彼の存在は大きく、特に若い世代に対して期待を寄せられている。

彼の人生は、多くの困難を乗り越え、周囲とのつながりを大切にすることが重要であることを物語っている。旭鷲山昇は、今後も自身の経験を活かし、さらなる高みを目指し邁進していくに違いない。

もう一度検索