昌谷彰

昌谷彰について

昌谷彰（さかや あきら）は、1870年（明治3年）に生まれ、1946年（昭和21年）に没した日本の官僚です。内務省に入省後、県知事や樺太庁長官を歴任しました。彼の生涯は、地方行政の発展に大きく貢献したと言えるでしょう。

生い立ちと学歴

昌谷彰は、美作国津山城下（現在の岡山県津山市）で、津山藩士である昌谷千里の長男として誕生しました。東京英語学校、第一高等中学校を経て、1896年に帝国大学法科大学を卒業しました。同年7月には内務省に入省し、土木局に配属されました。さらに同年12月には、文官高等試験行政科試験に合格し、官僚としてのキャリアをスタートさせました。

地方官僚としての活躍

1897年4月、昌谷彰は宮崎県参事官に就任し、内務部第三課長と第二課長を兼任しました。その後、三重県参事官、神奈川県参事官・第四課長兼官房外出係、滋賀県書記官、福井県事務官・第一部長兼第二部長、静岡県事務官・第一部長兼第三部長、同内務部長、京都府事務官・内務部長などを歴任し、地方行政の経験を積みました。

1910年7月には、東京府事務官・内務部長に就任しました。

県知事としての功績

1911年7月、昌谷彰は大分県知事に就任しました。彼は県庁内の事務刷新に尽力し、その行政手腕を発揮しました。1913年6月には知事を休職しましたが、1914年6月には埼玉県知事に就任し、再び地方行政の第一線で活躍しました。埼玉県知事としては、治水事業の実施や産業振興に力を注ぎ、県政の発展に貢献しました。

樺太庁長官としての活動

1916年10月、昌谷彰は樺太庁長官に転任しました。1919年4月まで在任した後、1924年6月に再び樺太庁長官に再任され、1926年8月5日に依願免本官となり退官しました。二度にわたる樺太庁長官としての在任期間中、彼は樺太の行政運営に尽力し、その発展に大きく貢献しました。

栄典と親族

昌谷彰は、1916年（大正5年）11月20日に従四位に叙せられました。彼の親族には、祖父に津山藩儒官の昌谷精渓、父に津山藩士で明治時代の司法官、大審院判事であった昌谷千里がいます。妻は高松凌雲の六女である昌谷幸です。また、弟には海軍軍人（造船少将）の昌谷三雄がおり、妹の楠本三重は楠本長三郎の妻です。甥には、ダイセル会長の昌谷忠、アジア学生文化協会顧問の昌谷春海、農林官僚の昌谷孝がいます。

まとめ

昌谷彰は、内務官僚として地方行政に尽力し、県知事や樺太庁長官を歴任しました。彼の功績は、地方行政の発展や産業振興に大きく貢献したと言えるでしょう。特に、大分県と埼玉県での県政運営や、二度にわたる樺太庁長官としての手腕は、彼の行政官としての才能を際立たせています。彼の生涯は、日本の近代化を支えた官僚の一人として、記憶されるべきでしょう。

参考文献

歴代知事編纂会編『新編日本の歴代知事』歴代知事編纂会、1991年。
秦郁彦編『日本官僚制総合事典：1868 - 2000』東京大学出版会、2001年。
埼玉県教育委員会編『埼玉県史料叢書 10 下 (明治大正期知事事務引継書 3)』埼玉県、2005年。
『岡山県歴史人物事典』山陽新聞社、1994年。
* 人事興信所編『人事興信録』第5版、1918年。

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