明智城 (美濃国可児郡)

明智城の歴史と概要

概要

明智城（あけちじょう）は、美濃国可児郡にあった日本の中世の城で、現在の岐阜県可児市瀬田長山に位置しています。別名、長山城や明智長山城とも呼ばれ、この城は自然の地形を巧みに利用した典型的な山城です。1342年に美濃源氏の土岐頼兼が築城し、その後約200年にわたって明智氏が居城として利用しました。現代では、明智城跡が可児市の指定史跡となっています。

歴史

明智城は土岐明智二郎下野守頼兼によって康永元年に築かれたとされています。歴史書『美濃国緒旧記』には、明智城が土岐美濃守光衡の五代目にあたる頼清の次男、明智次郎頼兼によって初めて築かれたと記されており、明智光秀の代までその役割を果たしていたとのことです。

弘治2年（1556年）9月19日、明智城は稲葉山城主斎藤義龍の軍勢に攻撃されます。この際、城の代官であった明智光安は650名以上の戦士を集めて籠城しましたが、義龍軍は3700名以上で攻撃を続けました。攻撃が続く中、光安は弟の光久と自刃し、その妻たちも落城の前に自らの命を絶ちました。

その後、光秀が明智城から逃げ出し、光安の遺志を受け継いだとする記述も見受けられます。残念ながら、明智城はその後いっさい再興されることはありませんでした。また、光秀の生誕地に関する議論もあり、恵那市明智町にも関連する城址があります。

現在の状況

明智城の跡地には、本丸跡や曲輪、土塁といった城の構造物が比較的良好に残っています。散策路が整備されており、訪れる人々にとっては、春から秋にかけてのハイキングコースとして楽しめるようになっています。2020年には、NHKの大河ドラマ『麒麟がくる』の放送を記念して、本丸跡に明智光秀のブロンズ像が建設されました。

また、城址の北麓には、明智氏歴代の墓所がある天龍寺があります。ここには、日本で最大の明智光秀の位牌があり、旧暦6月には光秀公御法要が行われます。

明智城の歴史は、戦国時代における明智氏の重要性を物語っており、現在もその足跡を辿ることができる貴重な遺産となっています。訪れることで、当時の歴史を感じると共に、明智氏にまつわる様々な物語を思い起こさせてくれるでしょう。

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