明治大学体育会卓球部

概要

明治大学体育会卓球部（めいじだいがくたいいくかいたっきゅうぶ）は、1931年（昭和6年）に創設された、明治大学体育会に属する伝統ある卓球チームです。東京都を主な活動拠点とし、創部以来、日本の卓球界において中心的な役割を果たしてきました。関東学生卓球連盟に加盟しており、学生卓球界のトップレベルを常に維持しています。

組織と活動

本卓球部は、主に二つの組織に分かれて活動しています。一つは、高い競技力を追求する「競技部」です。こちらには、高校時代にインターハイなどで優れた成績を収め、スポーツ推薦などを経て入学した選手が多く所属しています。もう一つは「一般部」で、こちらは主に一般入試で入学し、学業と卓球の両立を目指す学生が所属しています。この多様な学生を受け入れる体制が、部の裾野を広げ、全体の活性化に繋がっています。

輝かしい実績

創部から今日に至るまで、明治大学卓球部は団体戦、個人戦ともに数々の栄光を勝ち取ってきました。団体戦の最高峰である全日本大学対抗卓球選手権（通称：インカレ）では、歴代最多となる18回の優勝を誇ります。これは、日本の大学卓球史上、最も多く優勝旗を手にした記録です。また、関東学生卓球リーグ戦においても、累計優勝回数は47回に達しており、現在もその記録を更新し続けています。これらの実績は、チームとしての層の厚さと強さを示しています。

個人戦でも、全日本学生卓球選手権大会でこれまでに28名の優勝者を輩出しています。さらに、日本卓球界の頂点を決める全日本卓球選手権大会の男子シングルスでは、9名の選手が日本チャンピオンに輝きました。これらの選手たちは、日本卓球界を代表する顔として、その発展に大きく貢献しています。

オリンピックでの貢献

明治大学卓球部は、単に優れた選手を育成するだけでなく、オリンピックにおける日本代表選手や、チームを率いる監督・コーチなど、指導者としても多くの人材を輩出しています。近年では、2020年東京オリンピックにおいて、OBである倉嶋洋介氏が卓球日本代表チームの監督を務めました。このチームには、同じくOBの水谷隼選手と丹羽孝希選手がメンバーとして参加し、男子団体で銅メダルを獲得するという快挙を成し遂げました。特に水谷選手は、混合ダブルスで日本人として初の金メダルを獲得するという歴史的な瞬間を創り出しました。さらに、2024年パリオリンピックでは、OBの渡辺武弘氏が女子日本代表監督としてチームを率い、女子団体で銀メダル、女子シングルスで銅メダルを獲得する成功を収めました。また、戸上隼輔選手も男子団体の一員として出場し、チームの4位入賞に貢献しています。このように、オリンピックの舞台でも明大OB・OGは重要な役割を果たし続けています。

多分野で活躍するOB・OG

当卓球部からは、現役・元選手としてだけでなく、指導者、協会の要職、そして卓球界の枠を超えた分野で活躍する数多くのOB・OGが輩出されています。国際卓球連盟の副会長や日本卓球協会の専務理事を務めた前原正浩氏、Tリーグチェアマンを務め、日本人プロ卓球選手の第一号となった松下浩二氏、オリンピックメダリストの水谷隼選手や丹羽孝希選手、そして異色の経歴を持つ落語家の三遊亭小遊三氏などが挙げられます。彼らの多様な活躍は、明治大学卓球部が単なる競技チームに留まらない、幅広い人間教育の場でもあることを示しています。

その他のエピソード

2007年に公開された卓球を題材にした人気映画『ピンポン』の制作においては、当時の明大卓球部が撮影協力を行いました。当時の監督であった平岡義博氏が、主人公が所属するチームの監督役として出演したほか、多くの部員が撮影に参加し、作品の臨場感とリアリティを高めることに貢献しました。

結び

明治大学体育会卓球部は、創部以来築き上げられた伝統と、常に高い目標を目指す革新的な姿勢をもって、日本卓球界の発展に寄与し続けています。数々の栄光と、多岐にわたる分野で活躍するOB・OGの存在は、部の誇りであり、今後の活動における大きな推進力となるでしょう。

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