明治大学体育会山岳部
明治大学体育会山岳部は、1922年に予科山岳会とスキー倶楽部が合同して「明治大学山岳会」として設立された歴史ある組織です。翌年には学友会体育部に正式に加入し、本格的な活動を開始しました。昭和初期には、山岳部から独立する形でスキー部やスケート部が誕生しています。
創部以来、明治大学体育会山岳部は日本の登山界において数々の重要な足跡を残してきました。国内の山岳活動においては、長野県側からの白馬岳積雪期初登頂や、前穂高岳・北尾根Ⅳ峰東南壁に「明大ルート」を開拓（1936年）するなど、困難なルートに挑んできました。また、早い時期から海外にも目を向け、1940年には台湾への遠征を実施しています。
戦後、日本のヒマラヤ登山が本格化する中で、明治大学山岳部のメンバーは重要な役割を果たしました。1954年と1956年の日本山岳会マナスル登山隊には、後に日本山岳会会長となる大塚博美氏らが参加し、日本人初の8000メートル峰登頂へ繋がるルート開拓に貢献しました。山岳界における安全への意識向上にも寄与しており、1957年に白馬鑓ヶ岳で発生した二重遭難をきっかけに、山岳部とOB会（炉辺会）が遭難の実態調査を行い、その成果をまとめた報告書『遭難の実態』（1964年）は高い評価を受けました。
海外での活躍はさらに続き、1960年には明治大学創立80周年記念事業の一環としてアラスカ地域総合学術調査団を派遣。その山岳班は、日本の登山隊として初めて北米大陸最高峰であるマッキンリー（現在のデナリ、標高6190m）の登頂を達成しました。
初のヒマラヤ遠征は1965年に行われ、未踏峰であったゴジュンバ・カンⅡ峰（標高7646m）の世界初登頂に成功しました。この遠征に参加していた植村直己氏は、その後も精力的に活動を展開します。1970年には日本山岳会エベレスト登山隊に参加し、日本人として初めて世界最高峰エベレスト（標高8848m）の頂に立ちました。既にモン・ブラン、キリマンジャロ、アコンカグアへの登頂を達成していた植村氏は、さらに単独でのマッキンリー単独初登頂を成功させ、世界初の五大陸最高峰制覇という偉業を成し遂げました。
植村直己氏の冒険はこれだけにとどまらず、1978年には犬ぞり単独行による世界初の北極点到達やグリーンランド縦断を達成しました。1984年には、冬期マッキンリー（デナリ）の世界初の単独登頂を果たしますが、下山中に消息を絶ちました。山岳部OB会である炉辺会は、困難な状況下で総力を挙げて捜索活動を展開しました。植村氏の一連の挑戦は、多くの人々に夢と勇気を与えたとして、同年、国民栄誉賞が授与されました。彼の功績は「世界五大陸最高峰登頂などの功」と称されています。植村氏は日本人として初めて『ナショナルジオグラフィック』誌の表紙を飾るなど、国際的にも高く評価され、デンマーク政府は彼の偉業を称え、グリーンランドのヌナタック峰を「ヌナタック・ウエムラ峰」と改称しました。また、南米アンデスには、植村氏が初登頂し、母校にちなんで名付けた「明治峰（ピッコ・デ・メイジ、標高5700m）」が存在します。
明治大学山岳部は、植村氏の精神を受け継ぎ、さらなる高みを目指しました。創部80周年記念事業として2001年から2003年にかけて実施された「ドリームプロジェクト」では、3年間で8000メートル峰4座（ガッシャーブルムI峰、ガッシャーブルムII峰、ローツェ峰、アンナプルナⅠ峰）に登頂。これにより、学生・OBによってヒマラヤ8000メートル峰全14座の完登を達成しました。これは、国内の大学山岳部としては唯一の快挙です。2013年には、学生部員や若手OBの育成のため、植村氏ゆかりのデナリに再び挑み登頂を果たしました。創部100周年を迎えた2023年には、東ネパールの未踏峰アニデッシュチュリ（標高6,960m）に挑戦するなど、常に新しい目標を追求し続けています。
山岳部の活動を支えているのがOB会「炉辺会」です。1923年に発足した炉辺会は、会報や機関誌を発行し、会員間の連携を深めています。OB会独自の登山隊を派遣するほか、日本山岳会などが主催する大規模な遠征にも多くの会員が参加し、実績を上げています。特に、植村直己氏が消息不明となった際には、困難な捜索活動を主導するなど、OB会は山岳部の歴史において重要な役割を担っています。
明治大学体育会山岳部は、植村直己氏をはじめ、日本山岳会会長を務めた大塚博美氏、冒険家の根深誠氏、探検家の髙橋大輔氏、8000m峰多数登頂の加藤慶信氏や天野和明氏、山本篤氏、三谷統一郎氏など、数多くの著名な登山家や冒険家を輩出してきました。また、その活動は多方面から注目され、映画『植村直己物語』や漫画『蒼き氷河の果てに…』、NHKのドキュメンタリー番組、関連書籍など、多くのメディア作品や出版物においても取り上げられています。
このように、明治大学体育会山岳部は、創部以来100年以上にわたり、日本の登山史、冒険史において極めて重要な役割を果たし、国内外の高峰に挑戦し続けるフロンティア精神を今に伝えています。
創部以来、明治大学体育会山岳部は日本の登山界において数々の重要な足跡を残してきました。国内の山岳活動においては、長野県側からの白馬岳積雪期初登頂や、前穂高岳・北尾根Ⅳ峰東南壁に「明大ルート」を開拓（1936年）するなど、困難なルートに挑んできました。また、早い時期から海外にも目を向け、1940年には台湾への遠征を実施しています。
戦後、日本のヒマラヤ登山が本格化する中で、明治大学山岳部のメンバーは重要な役割を果たしました。1954年と1956年の日本山岳会マナスル登山隊には、後に日本山岳会会長となる大塚博美氏らが参加し、日本人初の8000メートル峰登頂へ繋がるルート開拓に貢献しました。山岳界における安全への意識向上にも寄与しており、1957年に白馬鑓ヶ岳で発生した二重遭難をきっかけに、山岳部とOB会（炉辺会）が遭難の実態調査を行い、その成果をまとめた報告書『遭難の実態』（1964年）は高い評価を受けました。
海外での活躍はさらに続き、1960年には明治大学創立80周年記念事業の一環としてアラスカ地域総合学術調査団を派遣。その山岳班は、日本の登山隊として初めて北米大陸最高峰であるマッキンリー（現在のデナリ、標高6190m）の登頂を達成しました。
初のヒマラヤ遠征は1965年に行われ、未踏峰であったゴジュンバ・カンⅡ峰（標高7646m）の世界初登頂に成功しました。この遠征に参加していた植村直己氏は、その後も精力的に活動を展開します。1970年には日本山岳会エベレスト登山隊に参加し、日本人として初めて世界最高峰エベレスト（標高8848m）の頂に立ちました。既にモン・ブラン、キリマンジャロ、アコンカグアへの登頂を達成していた植村氏は、さらに単独でのマッキンリー単独初登頂を成功させ、世界初の五大陸最高峰制覇という偉業を成し遂げました。
植村直己氏の冒険はこれだけにとどまらず、1978年には犬ぞり単独行による世界初の北極点到達やグリーンランド縦断を達成しました。1984年には、冬期マッキンリー（デナリ）の世界初の単独登頂を果たしますが、下山中に消息を絶ちました。山岳部OB会である炉辺会は、困難な状況下で総力を挙げて捜索活動を展開しました。植村氏の一連の挑戦は、多くの人々に夢と勇気を与えたとして、同年、国民栄誉賞が授与されました。彼の功績は「世界五大陸最高峰登頂などの功」と称されています。植村氏は日本人として初めて『ナショナルジオグラフィック』誌の表紙を飾るなど、国際的にも高く評価され、デンマーク政府は彼の偉業を称え、グリーンランドのヌナタック峰を「ヌナタック・ウエムラ峰」と改称しました。また、南米アンデスには、植村氏が初登頂し、母校にちなんで名付けた「明治峰（ピッコ・デ・メイジ、標高5700m）」が存在します。
明治大学山岳部は、植村氏の精神を受け継ぎ、さらなる高みを目指しました。創部80周年記念事業として2001年から2003年にかけて実施された「ドリームプロジェクト」では、3年間で8000メートル峰4座（ガッシャーブルムI峰、ガッシャーブルムII峰、ローツェ峰、アンナプルナⅠ峰）に登頂。これにより、学生・OBによってヒマラヤ8000メートル峰全14座の完登を達成しました。これは、国内の大学山岳部としては唯一の快挙です。2013年には、学生部員や若手OBの育成のため、植村氏ゆかりのデナリに再び挑み登頂を果たしました。創部100周年を迎えた2023年には、東ネパールの未踏峰アニデッシュチュリ（標高6,960m）に挑戦するなど、常に新しい目標を追求し続けています。
山岳部の活動を支えているのがOB会「炉辺会」です。1923年に発足した炉辺会は、会報や機関誌を発行し、会員間の連携を深めています。OB会独自の登山隊を派遣するほか、日本山岳会などが主催する大規模な遠征にも多くの会員が参加し、実績を上げています。特に、植村直己氏が消息不明となった際には、困難な捜索活動を主導するなど、OB会は山岳部の歴史において重要な役割を担っています。
明治大学体育会山岳部は、植村直己氏をはじめ、日本山岳会会長を務めた大塚博美氏、冒険家の根深誠氏、探検家の髙橋大輔氏、8000m峰多数登頂の加藤慶信氏や天野和明氏、山本篤氏、三谷統一郎氏など、数多くの著名な登山家や冒険家を輩出してきました。また、その活動は多方面から注目され、映画『植村直己物語』や漫画『蒼き氷河の果てに…』、NHKのドキュメンタリー番組、関連書籍など、多くのメディア作品や出版物においても取り上げられています。
このように、明治大学体育会山岳部は、創部以来100年以上にわたり、日本の登山史、冒険史において極めて重要な役割を果たし、国内外の高峰に挑戦し続けるフロンティア精神を今に伝えています。
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