星を継ぐ者 (TRPGリプレイ)

星を継ぐ者

『星を継ぐ者』は、テーブルトークRPG『ナイトウィザード』のリプレイ作品であり、全1話で完結する。

概要

2002年に発表された『ナイトウィザード』は、現代を舞台としながらもダンジョン探索の要素を取り入れた斬新なTRPGである。しかし、ルールブックだけではシナリオの作り方が伝わりにくいという懸念から、プレイガイダンスとして本作「星を継ぐ者」が制作された。

ゲームマスター兼リプレイライターは、ゲームデザイナーの菊池たけしが担当。ファンタジー一筋だった菊池にとって新たな挑戦であり、その評価は非常に高い。本作は、菊池がラブコメ的なストーリーテリングを積極的に取り入れる転換点となった作品でもある。

「星を継ぐ者」は、その後の『ナイトウィザード』の商業シナリオやリプレイに大きな影響を与え、特にダンジョン探索の簡略化という点で重要な役割を果たした。現代ファンタジーとしての物語性を重視し、ダンジョンに縛られない自由なシナリオ制作を可能にした。

ただし、ダンジョン要素とルールシステムの一体感を重視するユーザーからは、批判的な意見も存在する。タイトルの「星を継ぐ者」は、J・P・ホーガンのSF小説『星を継ぐもの』のパロディだが、内容に関連性はない。

あらすじ

舞台は輝明学園秋葉原校高等部。廃部寸前の天文部に所属する少年・結城マサトは、勇者として覚醒したばかりで、日常に違和感を覚えていた。そんな中、天空に紅い星が現れ、マサトの日常は崩壊していく。家族や知人が消え、存在そのものがなかったかのように世界が変貌する。それは、更なる世界崩壊の序曲に過ぎなかった。

登場人物

プレイヤーキャラクター

結城マサト (田中信二)：勇者 (Lv.0)。輝明学園高等部1年生。エリア88星雲から来た宇宙人が乗り移ったと思い込んでいる。専用武器は箒型の「ウィッチブレード」。
赤羽くれは (みかき未果子)：陰陽師 (Lv.0)。輝明学園高等部3年生で天文部の部長。実家は有名な赤羽神社。星の巫女としての運命を背負い、多くの組織から命を狙われている。
柊蓮司 (矢野俊策)：魔剣使い (Lv.0)。輝明学園高等部3年生だが、任務のため1年生に降年。くれはとは幼馴染で、「恥ずかしい秘密」を握られている。コスモガードからくれはの監視・抹殺任務を受けている。
グィード・ボルジア (田中天)：聖職者 (Lv.0)。ローマ聖王庁所属。聖王の命を受け、マサトを導くために輝明学園に教師として潜入。新生天文部の顧問。聖王とは愛人関係にある。

ノンプレイヤーキャラクター

星野篝：マサトの幼馴染。天文部員。その正体は、紅き星ディングレイを召喚するエミュレイター「星を継ぐ者」。
グレゴリオ・ビウス11世：ローマ聖王庁の長。グィードとは親密な関係にある。

その他

日本コスモガード連盟：柊蓮司が所属する組織。異常な天体活動とエミュレイターを調査する。
紅き星ディングレイ：1億年に1度地球に接近する小惑星。エミュレイターの一種とみなされる。

マジカル・ウォーフェアとの関連

「星を継ぐ者」は、『ナイトウィザード』や『セブン＝フォートレス』のリプレイをつなぐ「マジカル・ウォーフェア」の一編であり、最初の危機として位置づけられている。本作での事件が、後の物語に繋がっていく。

第二次古代神戦争との関連

直接的な関係はないが、ボイスドラマ版のシークレットエンディングは、ファンブック『ブルーム・メイデン』の年表で正史として扱われている。

関連項目

菊池たけし
ナイトウィザード
柊蓮司
赤羽くれは
* フレイスの炎砦

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