星川清司

星川 清司（ほしかわ せいじ）

星川清司は、1921年10月27日に生まれ、2008年7月25日に逝去した日本の著名な脚本家および小説家です。彼の本名は清（きよし）で、東京市下谷区（現在の台東区）にて育ちました。彼は旧制山形高校を中退し、子供の頃から映画に親しんできましたが、若年時代は体調を崩すことが多く、30歳を過ぎてから映画産業に足を踏み入れようとします。

思い描く職業として監督を目指してみたものの、体力の限界から脚本家の道を選びました。彼にとって、映画の世界は見知らぬ土地であったものの、持ち前の情熱をもって、次々と自作の脚本を著名な関係者に送付。これが功を奏し、彼は森岩雄に紹介され、藤本真澄から東宝での仕事を与えられることになりました。また小津安二郎に招かれ、松竹大船撮影所でも働く機会を得て、以降小津を生涯の師として慕い続けました。

彼が京都に移ったのは1962年のことで、大映京都撮影所と契約を結びます。そこでの最初の仕事は、子母澤寛の原作をもとにした映画『新選組始末記』の脚本でした。この作品は、もともとは藤巻潤の主演作として計画されていましたが、星川の脚本が市川雷蔵の目に留まり、雷蔵主演作に変更されました。これにより、星川は雷蔵と三隅研次監督とのコンビで数多くの作品を製作します。彼は大映時代、特に『眠狂四郎シリーズ』の第1作から第7作までの脚本を担当し、これらは彼の代表的な作品となりました。

大映が倒産した後も星川は、テレビドラマの分野でも活躍します。特に1970年には『わが父北斎』で芸術祭優秀賞およびイタリア賞グランプリを受賞するなど、その才能を発揮しました。さらに、小説家としても活動を開始し、彼の処女作は『小伝抄』で、1989年下半期の直木賞を受賞します。この受賞は、直木賞史上での最年長受賞となり、彼の名は更に広がっていきました。

生前、星川の年齢については1926年と公表されていましたが、その理由は「寅年生まれは運が強い」との根拠からでした。彼の死後になって、実際の生年である1921年が明らかになり、直木賞における最年長受賞記録もこれにより更新されることになります。

著作

星川清司は多数の著書を著しており、主な作品には『小伝抄』（文藝春秋、1990年）、『おかめひよっとこ』（同、1990年）、『夢小袖』（同、1991年）、『櫓の正夢 - 鶴屋南北闇狂言』（中央公論社、1993年）、『利休』（文藝春秋、1994年）、『小村雪岱』（平凡社、1996年）、『大映京都撮影所カツドウヤ繁昌記』（日本経済新聞社、1997年）などがあります。また、彼の脚本作品としては『無宿者』(1964年)、『大殺陣 雄呂血』（1966年）、『海はふりむかない』（1969年）などがあり、多岐に渡るジャンルで影響を与え続けたのです。星川清司は映画と文学の両方でその名を残し、今日でも多くの人々に影響を与える存在として語り継がれています。

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