星影の人

ミュージカル『星影の人』

『星影の人』（ほしかげのひと）は、柴田侑宏による宝塚歌劇団のミュージカルであり、副題には「沖田総司・まぼろしの青春」とついています。この作品は新撰組の隊士である沖田総司と祇園の芸妓である玉勇の恋愛物語を描いており、宝塚歌劇における幕末劇の先駆けとして位置づけられています。

上演歴

この作品は1976年と1977年に、雪組によって初演されました。最初の公演は宝塚大劇場にて1976年6月25日から8月10日まで行われ、この際に新人大公演も開催されました。続いて、新宿コマ劇場でも上演され、その後1977年にかけて地方公演が実施されました。公演の形式は「ミュージカル・ロマン」で、全13場から構成されています。特に副演作としては、宝塚大劇場と新宿コマ劇場ではファンタスティックショー『Non,Non,Non』、地方公演では『ビバ!タカラジェンヌ』が併演されました。

2007年には、雪組主演男役に就任した水夏希のデビュー公演として、再演が行われました。さらに9月から10月にかけての全国ツアーでも再度上演されています。この公演には演出や振付に尾上菊之丞が参加しました。また、2015年には博多座で新たな再演があり、演出は中村暁が担当しました。

あらすじ

物語は、雨が降る京都の祇園町から始まります。主人公の沖田総司は新撰組の本拠地に戻る途中、祇園の芸妓である玉勇と出会います。彼女は傘を貸してくれ、二人の距離は徐々に近づいていきます。偶然の出会いが続く中で、沖田と玉勇は互いに惹かれ合い、恋が芽生えます。しかし、その時点で沖田は病に侵されており、長くは生きられないことを悟ります。「残りの短い人生で何ができるか」を考えながら、彼は玉勇への愛を深めていきます。

だが、運命は残酷で、玉勇は突然の事故で亡くなってしまいます。彼女をかばって身代わりとなったことが明らかになると、沖田はその悲劇に打ちひしがれ、彼女の死を乗り越えなければなりません。この物語は愛と悲哀、そして人生の儚さについての深いメッセージを伝えています。

主な楽曲

この舞台には魅力的な楽曲が数多くあります。以下はいくつかの代表曲です。

• - 星影の人
• - 生きるときめき
• - 星が近くに見える
• - あなたの方がしあわせ
• - 祈り
• - 花の祗園町

配役

初演では、沖田総司役に汀夏子、玉勇役に高宮沙千が名を連ねました。また、2007年の再演では水夏希が主演を務め、特別出演の華形ひかるが土方歳三役を演じました。

まとめ

『星影の人』は歴史的な背景を持つだけでなく、個人の運命と人間関係の深淵を描く美しい作品です。宝塚歌劇団の一部として、多くの観客に愛される理由は、心に響くストーリーと華やかなパフォーマンスにあります。

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