春山城

春山城（はるやまじょう）

春山城は、現在の長野県長野市若穂に位置していた山城です。この城は、その堅固さから「春山、尼飾、鞍骨」と並び称されるほどの要塞であったとされています。特に、戦国時代以前の南北朝時代には、この地を巡る激しい戦いの舞台となりました。

南北朝時代の春山城

1369年（正平24年・応安2年）、春山城は、守備を担っていた上遠野左近蔵人が、守護の入国を阻止しようとする村上氏などの国人衆からの攻撃を受けました。この攻撃は2ヶ月近くに及ぶ長期戦となり、関東管領を兼ねる信濃守護の上杉朝房は、守護代の藤井下野入道が守る善光寺（横山城）へ向けて関東から出陣することになりました。

上杉軍は春山城から氷鉋（長野市川中島）、平柴（長野市安茂里平芝）へと陣を移しながら転戦しました。その過程で栗田城の西木戸口での攻防戦を制し、最終的に善光寺に到達しました。この戦いの中で善光寺が焼失したとされており、春山城の戦いもその戦火に巻き込まれたと考えられています。

戦国時代の春山城

戦国時代に入ると、春山城は井上氏の居城となりました。川中島を巡る武田氏と上杉氏の争いの中で、井上氏は武田方についた綿内井上氏と、上杉方についた井上本家に分裂しました。春山城もまた、両勢力の間で激しい戦いが繰り広げられる場所となりました。

1556年（弘治2年）には、綿内要害と呼ばれていた春山城を武田方が守備していましたが、上杉方の高梨政頼の家臣である今清水太郎次郎らによって攻め落とされました。この時の武田方の守備城将については、富永氏、綿内満行、小坂義遠などの名前が挙がっていますが、特定には至っていません。

春山城は、その歴史の中で幾度となく戦いの舞台となり、その堅固な要塞としての役割を果たしました。現在はその姿を留めていませんが、その名は歴史の中に刻まれています。

関連項目

川中島の戦い
日本の城一覧

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