春木競馬場

春木競馬場について

春木競馬場（はるきけいばじょう）は、大阪府岸和田市に存在した競馬場で、1927年に南海興行株式会社の手によって開設されました。この競馬場は、同年11月に開催された競馬が大阪府内で初めてのものであり、以後春と秋に競馬が行われるようになりました。初期には地方競馬としては珍しい障害競走も実施され、1930年の秋の開催では全国で売り上げ第1位を記録しました。

沿革

春木競馬場は、1933年につづく増改築が行われ、戦前の関西における代表的な競馬場として位置づけられました。第二次世界大戦が勃発すると、競馬は軍用目的に転用され、1944年には開催が中止されます。しかし、戦争が終結した1946年に再び競馬が開催され、翌年には全国2位の売り上げを上げるまでに成長を遂げました。

1948年には、競馬法が制定され、大阪府へ無償譲渡されました。それ以降、複数の市町が共同で競馬を開催するようになり、1951年には17市にまで拡大しました。この時期、福山[[競馬場]]などとの交流も活発で、競馬の人気が高まりました。

競馬の存続と廃止

1960年代に入ると、競馬場の運営は順調で、売り上げも増加。しかし、1968年に大阪府と岸和田市のみに競馬開催権が与えられ、当時の府知事が公営競技廃止の方針を示したことから、競馬の存続が危ぶまれる事態に至ります。急な廃止の決定に対して、関係者や市民から反対の声が上がりました。

このような混乱の中で、経済的理由から1971年3月には競馬開催が停止されることが告知されました。しかし、競馬再開を求める声が高まり、1972年から1973年にかけて再び競馬が開催されるようになりました。

最終的には、1974年の開催を最後に春木競馬場は廃止され、現在はその跡地に岸和田市中央公園が整備されています。競馬場の南西部分にはトラックの名残が残っており、地域の歴史を物語っています。

特徴と競走

春木競馬場では、障害競走が最後まで行われていた点が特異です。また、主要な競走にはサラブレッドによる「春木記念」「春木盃」といった名前があり、アラブ馬によるレースや障害競走も多様でした。地元で活動した騎手たちの中には、春木競馬場が廃止された後も他の地方で活躍する者も多く、その一環として山中利夫という騎手は、非常に長く現役を務めました。

交通アクセス

春木競馬場へのアクセスは非常に便利でした。南海本線の春木駅から徒歩圏内であり、JR阪和線の久米田駅からも約700メートルほどで到着できます。この利便性も多くの観客を集める要因の一つでした。

春木競馬場の閉鎖は、地域にとって重要な出来事であり、今もなおその影響は感じられています。競馬の盛況な時代の再来を願いつつ、歴史を深く見つめ直すことを心がけたいと思います。

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