昭和の町

昭和の町: 豊後高田市に蘇る昭和30年代の風景

大分県豊後高田市に位置する「昭和の町」は、昭和30年代の町並みを忠実に再現した地区であり、地域振興の一環として多くの観光客を引き寄せています。このプロジェクトは2001年に始まり、当初は繁栄を誇った商店街が過疎化と大型店の進出によって衰退した背景を踏まえています。

背景と経緯

豊後高田市中心部の商店街は、1970年代まで国東半島で最も賑わう場所でした。しかし、その後の経済環境の変化により、次第に人々の足が遠のき「犬と猫しか通らない」という状態にまでなるほど寂れてしまいました。これを受けて、地元の人々は「昭和の町」を始めることを決意し、歴史的な魅力を再発掘しました。

このプロジェクトは、昭和30年代以前の古い建物が多く残っていることを逆手にとり、それを活かした町づくりを進めた結果、最初の9店舗が昭和のデザインに戻ったのが2001年。これが好評を呼び、2006年には38店舗にまで拡大し、年間27万人以上の観光客が訪れるまで成長しました。特に2006年には、第2回JTB交流文化賞の優秀賞を受賞し、全国的な注目を集める結果となりました。

町の特徴と展望

「昭和の町」は、懐かしい雰囲気の商店街だけでなく、昭和ロマン蔵などの展示施設も備えています。これにより、訪れた人々は単なる買い物だけでなく、昭和の文化や歴史を学ぶ機会も得られます。また、2007年にはその活性化の一環として、内閣総理大臣の認定を受けた「豊後高田市中心市街地活性化基本計画」が制定され、さらなる発展を目指しています。

体験型観光の実現

2009年に導入されたボンネットバスは、昭和の町を代表するシンボルとして活躍しています。このバスは土日祝日に無料運行され、観光客に懐かしい昭和の風景を楽しむ機会を提供しています。特に使用されているいすゞ・BX141型バスは、昭和の時代を象徴する存在として、多くの人々に愛されています。

高齢者向けのまちづくり

最近では、昭和の町を含む「玉津地区」において、高齢者が快適に過ごせるまちづくりが推進されています。これにより、地域の活性化だけでなく、高齢者の生活の質向上も図られています。

交通アクセス

「昭和の町」は交通の便が良く、多くの観光客が訪れやすい立地にあります。JR日豊本線の宇佐駅からはバスで約10分、大分空港からもアクセスしやすいポイントに位置しています。さらに、東九州自動車道からのアクセスも便利で、車での来訪もスムーズです。

まとめ

豊後高田市の「昭和の町」は、昭和の風景と文化を体験できる貴重なスポットとして、多くの人々を魅了しています。地域振興を目指すこの取り組みは、新しい形の観光地として今後もさらなる発展が期待されます。

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