昭王 (楚)

昭王の生涯と業績

昭王（しょうおう）は、中国春秋時代における楚の王であり、彼の統治期間は国の歴史の中で特筆すべきものでした。姓は羋、氏は熊で、時に諱は珍または軫とも呼ばれています。

幼少期と即位の経緯

昭王は平王と伯嬴の子として生まれ、平王6年（紀元前523年）、平王の太子であった建が宋に亡命した際に代わって太子に任命されました。平王13年（紀元前516年）に平王が亡くなると、彼は楚王として即位しました。

政治改革と内政

即位後の昭王は、若いながらも勇敢な決断を下し、楚の政治情勢を安定させるために動きました。昭王元年（紀元前515年）、彼は楚人に嫌われていた費無忌を粛清し、その結果として民衆の支持を得ることに成功しました。しかし、彼の治世は決して平穏ではなく、東方の呉からの継続的な侵攻に悩まされることとなりました。

重要な戦闘：柏挙の戦い

昭王10年（紀元前506年）、特に重要な出来事として柏挙の戦いがありました。この戦闘では、楚軍は呉軍に大いに敗れ、呉軍が楚の都である郢にまで攻め入る事態となりました。昭王は郢から逃亡し、随に避難しました。この危機的な状況に対し、楚の使臣である申包胥は秦の哀公に救援を求めましたが、当初は反応が鈍かったのです。申包胥は日本庭園の庭で7日7晩にわたり無心に涙を流し続けたことで、哀公の心を動かし、結果的に援軍を送り出させることに成功しました。この援軍によって楚は呉軍を撃退し、昭王は郢に帰ることができました。

復興と同盟

帰国後、昭王は異母兄の公子申や公子結などの近侍たちと協力し、楚の復興に取り組み始めます。同時に、呉と敵対していた越王の勾践と同盟を結び、勾践の娘を妻として迎えることで、政治的な力を強化しました。

最後の遠征と死

しかし、昭王の治世は長くありませんでした。昭王27年（紀元前489年）、彼は陳を征伐するための軍を発動しましたが、遠征の途中で亡くなってしまいました。死に際して、彼は幼い息子である公子章を退け、異母兄の公子啓に王位を譲る意思を示しました。しかし、昭王の死後、子閭は自己の利益を考えて公子章を恵王として擁立することとなります。

評価

儒教の伝統において、昭王は孔子から高く評価されています。『春秋左氏伝』では、「大道を知れり」と称賛され、彼の統治能力が国家の存続に寄与したことが述べられています。このように、昭王の治世は単なる権力闘争を越え、遺産として後世に影響を与えました。

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