晋興郡

晋興郡は、中国の歴史において晋代から南北朝時代にかけて存在した郡です。特に重要なのは、以下の二つの晋興郡です。

広州晋興郡

広州晋興郡は、現在の広西チワン族自治区南部に位置していました。318年（大興元年）に鬱林郡が分割される形で設置され、広州に属しました。郡の行政中心地である郡治は晋興県に置かれました。

南朝宋の時代には、晋興郡は以下の8県を管轄していました。

晋興県
熙注県
桂林県
增翊県
安広県
広鬱県
晋城県
都陽県

南朝斉の時代も、南朝宋と同様に上記の8県を管轄していました。しかし、589年（開皇9年）に隋が南朝陳を滅ぼすと、晋興郡は廃止され、尹州に編入されることとなりました。

涼州晋興郡

一方、涼州晋興郡は、現在の青海省民和回族トゥ族自治県一帯に設置されました。311年（永嘉5年）に張軌によって西平郡の境に置かれ、涼州に属しました。この晋興郡は、以下の県を管轄していました。

晋興県
枹罕県
永固県
臨津県
臨障県
広昌県
大夏県
遂興県
罕唐県
左南県

涼州晋興郡は、北魏の時代に廃止されました。

このように、晋興郡という名前を持つ郡は二つ存在し、それぞれ異なる地域で異なる歴史を歩みました。広州晋興郡は南朝の時代まで存続しましたが、涼州晋興郡は比較的短い期間で姿を消しました。それぞれの郡が置かれた背景や管轄地域を理解することで、当時の中国の地方行政や勢力関係をより深く知ることができます。

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