西平郡

西平郡は、中国の歴史において2箇所に存在しました。それぞれの郡について、以下に詳細を記述します。

鄯州西平郡 (青海省北東部)

成立と変遷

後漢の建安年間に、金城郡を分割して西平郡が立てられました。郡治は西都県に置かれ、この地が政治の中心となりました。

晋代には、西平郡は涼州に属し、西都、臨羌、長寧、安夷の4県を管轄していました。この時代、西平郡は地域における重要な行政単位としての役割を果たしていました。

北魏時代になると、西平郡は鄯善鎮と改称されました。さらに、526年（孝昌2年）には鄯善鎮が鄯州へと改められました。これにより、行政区画の名称が大きく変わりました。

北周時代には、鄯州の属郡として楽都郡が立てられました。これは、地方行政の再編の一環として行われたものです。

隋唐代の変遷

583年（開皇3年）、隋が郡制を廃止した際、楽都郡は廃止され、鄯州に編入されました。しかし、607年（大業3年）に隋が再び州を廃止して郡を置くと、鄯州が西平郡と改称されました。この時、西平郡は湟水と化隆の2県を管轄しました。

619年（武徳2年）、唐が薛挙を平定すると、西平郡は再び鄯州と改称されました。その後、742年（天宝元年）に鄯州は再び西平郡と改称されましたが、758年（乾元元年）には西平郡は鄯州と改称され、西平郡の名称は歴史から姿を消しました。

寧州西平郡 (広西チワン族自治区西部)

成立と変遷

東晋の咸和年間に、興古郡の東部を分割して西平郡が立てられました。西平郡は寧州に属し、郡治は西平県に置かれました。この地域における行政の中心地として機能しました。

南朝宋の時代には、西平郡は西平、温江、都陽、晋綏、義成の5県を管轄していました。各県はそれぞれの地域で行政を担い、西平郡全体を支えていました。

南朝斉の時代になると、西平郡は西平、暖江、都陽、西寧、晋綏、新城の6県を管轄するようになりました。県が増加したことで、より細やかな行政サービスが提供されるようになりました。

南朝梁の時代に、この西平郡は廃止されました。これにより、広西チワン族自治区西部に存在した西平郡の歴史は幕を閉じました。

このように、西平郡という名称は、異なる時代と場所に2つ存在し、それぞれが独自の歴史を刻んでいます。

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