普賢寺 (香山郡)

普賢寺の紹介

普賢寺（ふげんじ、ポヒョンサ）は、北朝鮮の平安北道香山郡に位置し、名山・妙香山のふもとにある歴史的な仏教寺院です。この寺院は、朝鮮民主主義人民共和国の国宝（40号）にも指定されており、その文化的価値は非常に高いものとして認識されています。

歴史的背景

普賢寺の歴史は高麗時代までさかのぼります。968年に探密大師によって「安心寺」として創建されました。その後、982年には探密大師の猶子である宏廓大師が寺院の改築を行い、名称も「普賢寺」と改められました。この頃から寺院はその名を知られるようになり、仏教の重要な拠点となっていきました。

1098年には達宝大師が大規模な改築を行い、1361年には智円大師がさらなる改修を加えました。このように、普賢寺は数世代にわたって改築・修復を重ねられ、時代の変遷を経てその格式を保っていきました。

李氏朝鮮時代の苦境

1392年に高麗朝が滅び、儒教が国教として定められた李氏朝鮮の太宗による仏教弾圧が始まると、寺院の多くは閉鎖を余儀なくされました。1407年の段階では、存続が許された88寺院のリストには普賢寺の名前は見られず、事実上廃寺になったとされています。さらに、世宗による1424年の仏教弾圧の際も、36寺院しか存続を許されず、普賢寺は引き続きその名の下に存在しませんでした。

しかし、1449年には海正大師によって改修が行われ、再び復活の兆しを見せます。その後も、1634年に火災に遭うなど災難は続きましたが、1644年には虚白大師によって再度改修が施されました。さらに1761年には再び火災が発生し、翌年には南坡大師と香岳大師が修復を行うことで重要な文化財としての役割が再確認されました。

日本統治時代

1911年、普賢寺は日本の寺刹令施行規則により、朝鮮三十本山の一つに指定されることになります。これにより、寺院の地位は再び強化され、この時代を通じて仏教文化の発信地として重要視されることになりました。

朝鮮民主主義人民共和国の成立後

1948年9月9日に朝鮮民主主義人民共和国が成立した後、1950年には朝鮮戦争が勃発しました。この戦争によって、寺院の主要建物を含む半数以上がアメリカ軍の爆撃で破壊されるという悲劇に見舞われました。しかし、その後、朝鮮仏教徒連盟によって再建され、仏教の伝統が再び息を吹き返しました。

結論

普賢寺は、数世代にわたる歴史の中で数々の苦難を経験してきましたが、その度に改修を重ね、文化財としての存在意義を失うことはありませんでした。現在も、多くの信者に支えられ、仏教の重要な拠点としてその姿を保っています。普賢寺は、朝鮮半島の仏教の歴史を語る上で欠かせない存在と言えるでしょう。

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