晴れたらいいね (小説)

晴れたらいいね

『晴れたらいいね』は、藤岡陽子による小説作品です。2015年に光文社から単行本として書き下ろされ、2017年には文庫版が刊行されました。2025年にはテレビドラマ化もされ、Prime Videoで配信、後に地上波でも放送されました。

あらすじ

2015年、東京の総合病院に勤務する看護師・高橋紗穂は、長年意識不明の入院患者・雪野サエの意識が一時的に回復する瞬間に立ち会います。しかし直後、激しい地震が発生し、紗穂は意識を失い、気が付くと1944年のフィリピン・マニラの野戦病院にタイムスリップしていました。そこは戦火にさらされた過酷な場所であり、紗穂は若い頃の雪野サエとして、従軍看護婦として生きることを余儀なくされます。

紗穂は、いつ元の時代に戻れるか分からない状況で、雪野サエとして振る舞い、終戦の日まで生き抜くことを決意します。彼女は未来への希望を胸に、仲間の看護婦たちと共に、命の尊さを守るために奮闘します。

主要な登場人物

高橋紗穂: 現代の看護師。ひょんなことから戦時中の雪野サエとしてタイムスリップしてしまう。
雪野サエ: 現代の病院に入院している高齢の女性。戦時中は従軍看護婦として活動していた。
藤原美津: サエ（紗穂）の親友である従軍看護婦。産婆を目指していた。
菅野: 看護婦の婦長。厳格だが、部下を思いやる気持ちも持っている。
佐治: 野戦病院の軍医。温和な性格で、看護婦たちにも気を配る。
岩倉民子: 救護班の一員。冷静な判断力を持つ。
今井章一朗: 米軍の空爆で負傷した兵士。紗穂の看護を受け、心を通わせる。

ドラマ版キャスト

高橋紗穂 / 雪野サエ（若い頃）：永野芽郁
藤原美津：芳根京子
今井章一朗：萩原利久
菅野富貴子：江口のりこ
佐治誠：稲垣吾郎
雪野サエ（現代）：倍賞美津子

作品の特徴

この物語は、戦時下の過酷な状況を背景に、看護婦たちの人間ドラマを描いています。タイムスリップというSF的な要素を取り入れながらも、戦争の悲惨さや命の尊さを訴えかける、感動的な作品です。ドラマ版では、原作の魅力を活かしつつ、新たなキャラクターやエピソードを加え、より深く物語を掘り下げています。

メディア展開

小説:
単行本：2015年7月16日発売（光文社、ISBN 978-4-334-91041-9）
文庫版：2017年8月8日発売（光文社文庫、ISBN 978-4-334-77495-0）
テレビドラマ:
配信：2025年1月10日よりPrime Videoで世界見放題独占配信
放送：2025年3月30日にテレビ東京系列で放送
ラジオドラマ:
* NHK FM「青春アドベンチャー」枠で2016年2月29日から3月11日まで放送（2019年4月再放送）

『晴れたらいいね』は、小説、ドラマ、ラジオドラマと様々な形で展開され、多くの人々に感動を与え続けています。

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