暁に斬る!

『暁に斬る!』

『暁に斬る!』（あかつきにきる）は、1982年10月5日から1983年3月29日まで関西テレビ放送が制作し、フジテレビ系列で毎週火曜22時から放送された連続テレビ時代劇です。この作品は全26話で構成され、視聴者に深い印象を与えました。

ストーリー概要

物語は、元武士の並木平四郎と彼の相棒である武藤半兵衛が中心です。彼らは閻魔を名乗り、悪事を働く者たちを斬り捨てるという役割を担っています。特筆すべきは、悪事を犯した者のみをターゲットにし、無知な手下たちを斬らずに済むように配慮している点です。このような道徳的な配慮が、彼らのキャラクターに深みを与えています。

物語の主軸には、並木平四郎とその妻お春との過去が描かれており、彼らの人間関係や内なる葛藤が流れるストーリーをさらに興味深くしています。また、物語の進行の中に登場する桃太郎の入浴シーンなどの色気あふれるシーンが、重厚なドラマの中での清涼剤的な存在となり、視聴者の興味を引き続ける役割を果たしています。

主要キャスト

• - 並木平四郎：北大路欣也
• - お春：名取裕子
• - 磯吉：清水善三
• - 黒木弾十郎：セント
• - 利助：ルイス
• - 夢助：御木本伸介
• - 桃太郎：五月みどり
• - 青山左内：若林豪
• - 武藤半兵衛：山城新伍

これらのキャストによる緊迫感あふれる演技が、物語のクオリティをさらに高めています。

制作背景

この番組の企画は当初、三船プロによって進められていましたが、担当プロデューサーの元村武の無断退社という騒動が起こりました。この事件を受け、東北新社の植村伴次郎が仲裁に入ることとなり、東北新社は新たに「株式会社ヴァンフィル」を設立しました。無断退社したプロデューサーの伊藤満と元村がこの新会社に移籍した結果、番組の企画制作はヴァンフィルと三船プロが協力して行うことになりました。

スタッフ

制作には内海佑治と元村武が関与し、企画には巻幡展男と三船敏郎、さらには数々のプロデューサーや技術スタッフが携わっています。音楽は伊部晴美が手がけ、主題歌には泉洋次とスパンキーの『狼よ一人で走れ』が用いられました。

影響と評価

『暁に斬る!』は、その独特なストーリー展開、キャラクターの魅力、そして緻密な制作により、視聴者に強い印象を残しました。時代劇としての枠を超えた深みのある物語は、今なお多くのファンに愛されています。

この作品は、関西テレビ制作の火曜夜10時枠の連続ドラマとして、当時のテレビ界においても特別な存在だったと言えるでしょう。

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