暮沢剛巳

暮沢剛巳（くれさわ たけみ、1966年 - ）は、日本の美術評論家であり、東京工科大学デザイン学部の教授を務めています。彼の専門分野は現代美術研究、サブカルチャー論、そして美術館研究と多岐にわたります。青森県で生まれ、慶應義塾大学文学部を卒業後、一橋大学大学院言語社会研究科の博士課程を中退しました。

その後、武蔵野美術大学、女子美術大学、桑沢デザイン研究所、筑波大学、多摩美術大学、跡見学園女子大学、首都大学東京といった多くの教育機関で非常勤講師を歴任しました。2010年には東京工科大学デザイン学部の准教授に就任し、2016年には教授へと昇進しました。これらの経歴からも、彼の学術的かつ教育者としての多才さが伺えます。

暮沢氏は、現代美術に関する深い知識と洞察力を持ち合わせており、その研究成果は数多くの著書や論文として発表されています。彼の著書は、現代美術の動向を捉える上で重要な資料となっており、美術関係者だけでなく、一般の読者にとっても、現代美術を理解する上で有益な情報を提供しています。

彼の著作活動は、単なる評論に留まらず、美術の歴史や文化的な背景にも深く踏み込んでおり、多角的な視点から美術現象を分析しています。特に、美術館の役割や、現代社会におけるアートの意義について考察しており、その鋭い視点は、多くの読者に刺激を与えています。

主な著書

『ドゥルーズの哲学』(叢書・ウニベルシタス)(共訳)、法政大学出版局、1996年
『実践カルチュラル・スタディーズ―ソニー・ウォークマンの戦略』(翻訳)、大修館書店、2000年
『10+1 No.27 特集＝建築的／アート的 Ten Plus One』(共著)、INAX出版、2002年
『美術館はどこへ?―ミュージアムの過去・現在・未来』 (広済堂ライブラリー) 、廣済堂出版、2002年
『現代美術を知るクリティカル・ワーズ』、フィルムアート社、2002年
『パステルカラーの罠―ジェンダーのデザイン史』(りぷらりあ選書)(共訳)、法政大学出版局、2004年
『「風景」という虚構―美術/建築/戦争から考える』、ブリュッケ、2005年
『アートスケープ・クロニクル1995-2005―アート、ネット、ミュージアム』(共著)、大日本印刷株式会社ICC本部、2006年
『アートを書く!クリティカル文章術』(Next Creator Book)(共著)、フィルムアート社、2006年
『美術館の政治学』(青弓社ライブラリー)、青弓社、2007年
『ミュージアムの仕事』(太陽レクチャー・ブック)、平凡社、2008年
『ビエンナーレの現在―美術をめぐるコミュニティの可能性』(共著)、青弓社、2008年
『現代アートナナメ読み 今日から使える入門書』、東京書籍、2008年
『現代美術のキーワード100』(ちくま新書)、筑摩書房、2009年
『ル・コルビュジエ 近代建築を広報した男』(朝日選書)、朝日新聞出版、2009年
『アートピック・サイト』(アーツアンドカルチャーライブラリー)、美学出版、2010年
* 『キャラクター文化入門』、NTT出版、2010年

これらの著書からもわかるように、暮沢氏の関心は現代美術のみならず、建築、デザイン、キャラクター文化など、広範な領域に及んでいます。彼の学際的なアプローチは、現代社会の文化現象を理解するための重要な視点を提供しています。

また、彼は美術館や展覧会のキュレーションにも携わっており、理論と実践の両面から現代美術の発展に貢献しています。彼の活動は、美術界における重要な貢献として、高く評価されています。


外部リンク
モダンタイムズ著者 暮沢剛巳

彼の著作や活動を通じて、現代美術や文化に対する理解を深めることができるでしょう。

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