曲沃県

曲沃県（きょくよく-けん）は、中華人民共和国山西省臨汾市に位置する県です。

地理

黄土高原の臨汾盆地の南端に位置し、汾河の支流である澮河（わい-が）が、東の翼城県から流れ込み、県内を東西に貫流しています。気候は大陸性気候で、夏は暑く、冬は非常に寒冷です。

現在の人口は約20万人。鉄鉱石をはじめとする豊富な地下資源に恵まれ、製鉄業を中心とした大小の工場が集積しています。

また、古代晋をはじめとする時代の文物や遺跡が数多く出土することで知られています。特に有名なのは、晋の歴代君主の墓所である天馬-曲村遺跡（北趙晋侯墓地）です。1962年に発見されたこの遺跡は、11平方kmもの広大な範囲にわたり、多数の墓所、車馬坑、祭祀坑などが発掘されています。

歴史

春秋時代には、晋の商工業の中心地として繁栄し、都城が置かれた翼城よりも発展していました。紀元前745年、穆侯（ぼくこう）の三男である桓叔（かんしゅく）が曲沃を食邑として与えられ、その後、曲沃は翼城の宗家を凌ぐ勢力を持つようになります。桓叔の孫である武公（ぶこう）の時代には、ついに桓叔の子孫が晋を掌握するに至りました。

前漢時代には絳県（こう-けん）に属していましたが、487年（北魏の太和11年）に北魏により曲沃県が設置されました。当時の県治は、現在の県城から10kmほど離れた場所にありました。598年（隋の開皇18年）には、隋代になって県治が現在の場所に移されました。

1958年には一旦廃止され、侯馬市（こうば-し）に編入されましたが、1963年に曲沃県として再設置され、県治は侯馬市に置かれました。その後、1971年に県治が現在の場所へ移転しました。

行政区画

曲沃県は、以下の鎮と郷によって構成されています。

鎮:
楽昌鎮（らくしょう-ちん）
史村鎮（しそん-ちん）
曲村鎮（きょくそん-ちん）
高顕鎮（こうけん-ちん）
里村鎮（りそん-ちん）
郷:
北董郷（ほくとう-きょう）
楊談郷（ようたん-きょう）

外部リンク

天馬-曲村遺跡

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