汾河

汾河（ふんが）：山西省を潤す母なる川

汾河は、中国の山西省を南北に流れる大河であり、黄河の主要な支流の一つです。別名、汾水とも呼ばれています。渭河に次ぐ黄河第二の支流として、山西省の歴史、文化、経済に大きな影響を与えてきました。

源流と流れ

汾河は、山西省北部の忻州市寧武県に位置する管涔山にその源を発します。源流域はトウヒやカラマツの美しい森が広がり、森林公園として保護されています。そこから黄土高原の谷間を縫うように流れ、多くの支流を集めながら南西方向に進みます。その後、流れは南東方向に転じ、さらに大きく北東へとカーブを描きながら、山西省の中心都市である太原市へと到達します。太原市を過ぎると、川は晋中市、臨汾市と、山西省中部の盆地を北東から南西へ縦断します。最終的には、侯馬市で西へと流れを変え、運城市河津市において黄河の左岸に合流します。

流域と影響

汾河の流域面積は39,417平方キロ[[メートル]]に及び、これは山西省全体の25.3%を占めます。流域には、省内の中部から南部に位置する重要な工業都市や、春秋戦国時代から続く歴史的な都市が数多く点在しており、汾河がこの地域の人々の生活と文化に深く根付いていることがわかります。汾河流域は、黄河文明、そして中国の歴代王朝の多くを生み出した山西省の、まさに「母なる川」と言えるでしょう。

水量の変化と現状

かつての汾河は、豊かな水量と多様な魚種に恵まれ、水上交通も盛んでした。しかし、20世紀後半以降の工業発展、水需要の増加、上流での砂漠化やダム建設などの影響により、水量は著しく減少しました。時には断流し、水が全く流れない時期も生じるようになっています。特に、太原市では、1990年代に可動式の堰を市内中心部を流れる汾河の各所に設け、水を貯めることで、常に水面を維持し、汾河沿いに公園を整備するなどの対策を講じています。

関連事項

汾河に関わる歴史、文化、地理について、より深く理解するために、以下の項目も参照ください。

滹沱河（こだか）: 汾河と同じく、山西省を流れる主要な河川です。
桑乾河（そうかんが）: 河北省を流れる河川であり、汾河とは異なる流域に位置します。
渭河（いが）: 黄河の最大の支流であり、汾河と並んで黄河文明を育んだ重要な川です。
龍山文化: 黄河中流域で発展した新石器時代の文化であり、汾河流域もその影響を受けています。
仰韶文化: 黄河中流域に栄えた新石器文化の一つで、汾河流域にもその遺跡が発見されています。

外部リンク

人民中国インターネット版 汾河に沿って続く旅 : 汾河の現状を写真とともに紹介する記事です。

汾河は、その豊かな水と歴史を通じて、山西省の発展に大きく貢献してきました。現代においては、水資源の減少という課題に直面していますが、その重要性は依然として変わらず、これからも地域の人々にとってかけがえのない存在であり続けるでしょう。

もう一度検索