翼城県

翼城県（よくじょう-けん）

翼城県は、中華人民共和国山西省臨汾市に位置する県です。

地理

翼城県は黄土高原の臨汾盆地の東南部に位置し、東の山地を源流とする河川が合流し、汾河の支流である澮河となって西へと流れています。県の南部には翔山（翔翰山）がそびえ立っています。気候は大陸性気候で、夏は暑く、冬は非常に寒くなります。

歴史

翼城県は、古代中国の歴史において重要な役割を果たした地域です。夏殷代には、臨汾盆地の南部の汾河東一帯に唐国が存在していました。西周の初期に反乱を起こした唐国は滅ぼされ、成王の弟である唐叔虞がこの地に封じられました。その後、唐叔虞の子孫が唐を晋と改名し、やがて晋は強国となりました。この地には晋の首都である「翼」があったとされています。

しかし、翼の宗家は桓叔の子孫である曲沃の分家に次第に圧倒され、晋の武公の代に滅ぼされました。その後、翼は絳と改名されました。

この「翼」の所在地については、『山西通志』や『翼城県志』などの文献によれば、現在の翼城県城の東南、南梁鎮の故城村にあったと伝えられています。しかし、故城村にある城壁跡は、実際には隋代の翼城県の跡ではないかと考えられています。

前漢には絳県に、後漢には絳邑県に属していました。翼城県の前身は、南北朝時代の北魏により設置された北絳県です。隋代になると、598年（開皇18年）に翼城県と改称され、翼城郡の郡治となりました。唐代が成立すると、618年（武徳元年）に澮州、翌年には北澮州の州治となりました。905年（天祐2年）には、澮河にちなんで澮川県と改名されています。宋代になると翼城県と改称され、金代には翼州に昇格しましたが、元代により再び翼城県と改められ、現在に至ります。

翼城県内からは、竜山文化・二里頭文化から春秋戦国時代に至るまでの多くの遺物が出土しており、この地が古くから文化的に豊かな地域であったことを示しています。

行政区画

翼城県は、以下の鎮と郷を管轄しています。

鎮:
唐興鎮
南梁鎮
里寨鎮
隆化鎮
橋上鎮
西閻鎮
王荘鎮
郷:
中衛郷
南唐郷

関連項目

北趙晋侯墓地

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