曹源寺 (岡山市)

曹源寺について

曹源寺（そうげんじ）は、岡山県岡山市中区円山にある禅寺であり、臨済宗妙心寺派に属しています。山号は護国山であり、この寺院は備前岡山藩主の池田家の菩提寺に指定されています。曹源寺の本尊として祀られているのは十一面観世音菩薩です。

歴史

曹源寺の創建は、元禄11年（1698年）に遡ります。備前岡山藩の第2代藩主である池田綱政が、先祖の恒興や父の光政のための菩提を弔うことを目的として設立しました。彼自身の菩提寺としても利用され、以後は代々の藩主のための葬儀もここで行われるようになりました。建設にあたり、家臣の上坂外記に作業を命じ、初代和尚として絶外を迎え入れました。

境内の見どころ

曹源寺は「備前国第一の禅寺」と称されており、訪れる人々に静寂な雰囲気を提供しています。境内に足を踏み入れると、参道を進んだ先に総門、三門、そして仏殿が一直線に並んで見える光景が広がります。仏殿の左手には鼓楼、右手には鐘楼が設置されており、さらに鼓楼の奥には経蔵、経蔵の背後には開山塔（開山堂）が位置しています。

仏殿のさらに右側には方丈があり、その奥には池泉回遊式庭園が広がっています。この庭園は絶外和尚と津田永忠が手掛けたもので、四季折々の表情を楽しむことができます。仏殿の奥には、池田氏の墓所が国の史跡に指定されており、その近くの丘陵中腹には三重塔があります。

また、曹源寺にはかつて真言宗や天台宗、日蓮宗、浄土宗の塔頭が存在しましたが、現在残っているのは、伽藍の左側に位置する大光院（日蓮宗）と右側の天台寺（天台宗）だけです。寺では修行僧を受け入れており、現在の修行僧は住職の原田正道を除いて全員が海外から来た人々です。岡山市街地では、時折雲水姿の托鉢僧を目にすることがあり、彼らは曹源寺に属する修行僧です。

境内の西側には、戦後にGHQの政策により寺院所領が没収されたことから設けられた徳風会式吉相墓という墓地があります。この場所は、同寺の困窮を受けて、指示された石材店が委託されて墓地として利用されるようになりました。

池田家墓所

曹源寺の設立当初から、池田綱政の墓所もここに築かれ、その後、継政、宗政、治政、斉政、斉敏、章政などの歴代藩主および池田家の一族の墓が整然と並んでいます。ただし、光政、慶政、茂政の墓所は備前市吉永町の和意谷池田家墓所に存在しています。

文化財

曹源寺は多くの文化財を有しており、その中には国指定の史跡に指定されている岡山藩主池田家墓所が含まれます。これは1998年に指定され、備前市の和意谷池田家墓所や和気町の津田永忠の墓所も一緒に登録されています。また、岡山県が指定する重要文化財にも、大光院の康永四年法華題目石が含まれています。さらに、曹源寺が古くから所蔵していた紙本著色餓鬼草紙という平安時代末期の国宝も存在しています。また、県の郷土記念物には曹源寺の松並木が指定されています。

アクセス

曹源寺へのアクセスは、JR岡山駅または天満屋バスステーションから両備バスの「東山経由西大寺」行きに乗車し、曹源寺停留所で下車後、徒歩約5分です。岡山県道28号岡山牛窓線も利用可能です。曹源寺へ訪れた際は、歴史豊かな境内や美しい庭園をぜひ楽しんでください。

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