月に濡れたふたり

月に濡れたふたり

「月に濡れたふたり」は、日本のロックバンド・安全地帯が1988年3月10日にリリースした17枚目のシングルです。この楽曲は、前作「Juliet」から約3か月後に発表されたもので、作詞を松井五郎、作曲を玉置浩二が手がけ、編曲には安全地帯と星勝、さらにBAnaNAが関与しています。

音楽的スタイルと歌詞の特徴

本作は安全地帯にしては珍しいボサノヴァ調の楽曲であり、多くのファンに新たな風をもたらしました。ストリングスを初めに用いたアレンジは、楽曲全体に優しさを与えています。また、ボサノヴァのリズムが心地よく響く中、玉置のボーカルは「理屈抜きで切ない」と評され、歌詞は「哀しく叙情的」と表現されています。ただし、興味深いことに、歌詞中に「月」に関連する言葉は一切含まれていないため、その点が批評家たちの注目を集めました。

リリースとメディアでの使用

「月に濡れたふたり」は、7インチレコードと8センチCDの2形態でリリースされ、玉置が出演したJT「SOMETIME MIASS」のCMソングとしても使用されました。オリコンシングルチャートでは最高位13位を記録し、合計11週ランクインしました。売上枚数は約7.3万枚に達し、安全地帯のシングル売上ランキングでは16位に位置づけられています。

ライブパフォーマンス

発売前日の1988年3月9日には、フジテレビ系音楽番組『夜のヒットスタジオDELUXE』に出演し、本作を披露しました。また、翌日の3月11日や4月15日にもテレビ朝日系の『ミュージックステーション』でパフォーマンスを行いました。これにより、楽曲の知名度はさらに高まりました。

カバーアーティスト

「月に濡れたふたり」は、多くのアーティストによってカバーされています。青紀ひかりは2016年のアルバム『Otokouta... Midnight in the Rain』に、井筒香奈江は2015年の『時のまにまにV』に、郷ひろみは1995年の『THE GREATEST HITS OF HIROMI GO VOL.II 〜Ballads〜』に収録しています。また、広東語バージョンを歌った李克勤の「藍月亮」も人気があり、アルバム『此情此境』や『復克』に収められています。モリカワ美穂によるカバーも含め、様々なアレンジが楽しまれています。

シングルに収録されている曲

このシングルには、楽曲「月に濡れたふたり」の他に「時計」も収録されています。「月に濡れたふたり」はその後アルバム『安全地帯VI〜月に濡れたふたり』に収められ、バージョンには記載されていないものの、間奏にはギターソロが挿入されたアレンジで収録されています。また、アルバム「THE VERY BEST of 安全地帯」、「安全地帯 COMPLETE BEST」、「安全地帯 Hits」、「ALL TIME BEST」など、様々なコンピレーションアルバムにも収録されています。

本楽曲は安全地帯の代表曲の一つとして、時代を超えて多くの人に愛され続けています。

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