月は東に日は西に

月は東に日は西に

『月は東に日は西に』は、わかつきめぐみによって描かれた日本の漫画作品です。1984年1[[1月]]から1986年3月まで『LaLa』（白泉社）にて連載され、当時の文化系部活動の、飾らない日常風景と青春のエネルギーを瑞々しく描いています。タイトルの由来は、与謝蕪村の有名な発句「菜の花や月は東に日は西に」。

あらすじ

物語の舞台は、とある高校の弱小クラブ「楽描倶楽部」。かつて美術部から分離したこのクラブは、生徒会からの予算を得られない代わりに、他の部からのアルバイトを請け負うことで活動費を捻出しています。部長の座を鷺島先輩から引き継いだ主人公・高橋茗は、同級生の春日野馨、後輩の佐藤茅菜、そして先輩の天野行宏らと共に、様々なアイデアと行動力を駆使して部を運営していきます。

登場人物

楽描倶楽部

高橋 茗（たかはし めい）
主人公であり、楽描倶楽部の部長。物語開始時は高校2年生。責任感が強く、しっかり者で、行動力も旺盛。弱小クラブながらも、部員たちを力強くまとめ上げています。人見知りな性格を直すために部活を探していたところ、鷺島に強引に入部させられたという過去を持ちます。
春日野 馨（かすがの かおる）
準主人公的な存在。物語開始時は高校2年生。個性的な性格で、常識にとらわれない言動が目立ちますが、周囲への面倒見が良く、機転も利くため、部長の茗を支える頼もしい存在です。目が隠れるほどの長い前髪が特徴で、作中では一度も目が描かれていません。
佐藤 茅菜（さとう ちな）
茗の一年後輩で、物語開始時は高校1年生。茗のことを心から慕っており、後に部長を引き継ぎます。明るく元気な性格で、周囲の意見を気にせず、マイペースに行動します。
天野 行宏（あまの ゆきひろ）
茗の2年先輩。半年以上の放浪の旅に出て留年したため、物語開始時は高校3年生。周囲を立てる優しい性格の持ち主です。
鷺島 夕（さぎしま ゆう）
先代の楽描倶楽部部長。天野行宏とは同い年。部員勧誘のため、新入生だった茗と馨を半ば強引に部員にした人物。普段は強引な面が目立ちますが、仲間思いで後輩の面倒見も良いです。
天野 ゆず（あまの -）
天野行宏の妹で、茗に憧れて楽描倶楽部に入部します。思い込みが激しい一面があり、当初は先輩らしさに欠ける茅菜に反発していましたが、次第に打ち解けていきます。
宮原 霖（みやはら りん）
天野ゆずと同期入部の部員。病弱ながらも、楽描倶楽部のハードな活動に積極的に参加します。個性的な部員たちの中で目立ちにくいですが、芯の強さを持っています。

高橋家

高橋 梅子（たかはし うめこ）
茗の母親。通称「ハイパー母さん」「日本の母」。若くして結婚し、茗たちを育て上げた肝の据わった母親ですが、馨の飼い犬と会話したり、幽霊にサインをねだったりするなど、子供っぽい一面も持ち合わせています。
高橋 晃之介（たかはし こうのすけ）
茗の弟。母や姉とは対照的に、大人しい性格です。

その他

石原 今日子（いしはら きょうこ）
美術部員。茗や馨とは同級生で、物語開始時は高校2年生。当初は楽描倶楽部に対して嫌味を言うなど、からかうような態度を取っていましたが、次第に茗や楽描倶楽部の理解者となっていきます。
水倉 智広（みずくら ともひろ）
新聞部部長。茗と同級生で、楽描倶楽部の数少ない理解者の一人。定期的に楽描倶楽部に仕事を発注しています。
米犬
馨が飼っている3匹の犬の総称。犬種はシェットランド・シープドッグ。

各話タイトル

第1話　怒涛の文化祭前夜
第2話　母の肖像
第3話　HEART BREAK
第4話　春
第5話　定例風炎現象
第6話　梅雨・ぱらのいあ
第7話　怪談・天夏粉
写真館・ぱたぱたぱた
第8話　地上の空 空の海
第9話　雪桃
写真館・さらさらさら
第10話　Dancing Beans
第11話　My Dear

書籍情報

花とゆめコミックス（全2巻）
愛蔵版（全1巻）
白泉社文庫版（全1巻）

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