有年駅

有年駅：歴史と変遷を刻む山陽本線の駅

有年駅は、兵庫県赤穂市有年横尾に位置する西日本旅客鉄道（JR西日本）山陽本線に属する駅です。1890年（明治23年）7月10日、山陽鉄道竜野駅 - 有年駅間の開通に伴い、終着駅として開業しました。当初は旅客と貨物の両方を扱っていましたが、1961年（昭和36年）6月1日に貨物取扱いを廃止、1984年（昭和59年）2月1日には荷物扱いも廃止されました。

その後、1987年（昭和62年）4月1日の国鉄分割民営化によりJR西日本の駅となり、1997年（平成9年）3月8日にはJR神戸線標準接近メロディ「さざなみ」が導入されました。駅は幾多の改修を経て、2012年夏より始まった橋上駅舎建設工事が完了し、2017年10月1日には橋上駅舎が全面使用開始となりました。これと同時に無人駅となりました。この際に、長らく親しまれてきた旧駅舎は、兵庫県現存最古の駅舎の一つとして知られていましたが、役目を終えました。なお、香呂駅や鶴居駅といった、明治27年建築の駅舎が現存しています。

2013年3月には上り本線外側に新しいホームが使用開始、2016年には旧2番のりばを転用した下り線のりばが完成するなど、段階的な改築が行われました。ICOCA対応は2018年（平成30年）9月15日から開始されています。現在では、無人駅ながら駅事務室と有人改札スペース（施錠・カーテン閉鎖）を確保し、自動券売機（ICOCAチャージ対応）と簡易型自動改札機が設置されています。

駅構造と特徴

有年駅は、相対式ホーム2面2線を有する地上駅です。橋上駅舎は、利用客の利便性向上とバリアフリー化を目的に建設されました。旧駅舎時代は相生駅管理の直営駅で窓口での乗車券発券を行っていましたが、橋上駅舎完成後は無人駅となりました。

駅舎の建設工事は当初、2015年頃の竣工が予定されていましたが、工期がずれ込み2017年10月に完成しました。工事期間中は、仮設の通路や新しいホームが順次使用開始され、利用客への影響を最小限に抑える工夫が凝らされていました。なお、上りホームは線路に沿ってカーブしており、列車がホーム側に傾いて入線するという特徴があります。また、米原駅～上郡駅間では唯一、自動放送が「JR京都・神戸線運行管理システム」対応型ではなく、永楽型の自動放送が使用されている点も特筆すべきでしょう。

利用状況と周辺環境

2021年度の1日平均乗車人員は215人です。近年は、周辺地域の開発や人口変動の影響を受けながら、利用状況に変化が見られます。駅周辺は、住宅地や田園風景が広がり、静かな環境です。

アクセスと接続路線

有年駅は、山陽本線上に位置し、相生駅と上郡駅の中間に位置しています。新快速と普通列車（明石駅以東は快速）が停車します。かつては赤穂鉄道赤穂鉄道線が乗り入れており、有年駅から富原駅までを結んでいましたが、現在は廃止されています。

まとめ

有年駅は、歴史と近代化が融合した駅です。長い歴史の中で幾度かの改修を経て、現代的な橋上駅舎を備えた無人駅へと進化しました。周辺環境も相まって、歴史と静寂が調和した魅力的な駅となっています。将来的な利用状況の変化も見据えながら、地域社会に貢献していくことが期待されます。

もう一度検索