法律学全集

法律学全集について

法律学全集は、法律書籍出版の老舗である有斐閣が、1957年（昭和32年）に創業80周年を記念して刊行を開始した法学書の全集です。この全集は、日本の法学研究において重要な役割を果たし、多くの法学者や法律実務家に影響を与えました。

概要

法律学全集は、1957年の刊行開始から1986年（昭和61年）の別巻である総索引の発行をもって完結しました。編集顧問には、我妻栄、横田喜三郎、宮沢俊義という、当時の法学界を代表する重鎮が名を連ねています。また、編集委員には、鈴木竹雄、田中二郎、兼子一、石井照久といった著名な法学者が携わりました。各巻は、それぞれの分野における第一人者が執筆を担当し、その質の高さから、多くの大学で教科書として採用されたり、司法試験受験のための基本書として利用されたりしました。

当初は全60巻の上製箱入りで出版されましたが、これは書籍の厚さを揃えるために、記述量の少ない分野を合冊したためでした。後に改訂版が刊行される際には、ほとんどが分割して出版されました。そのため、2009年時点では全体の冊数は60冊を超えています。法令の改正、判例の蓄積、学説の変遷、社会情勢の変化に対応するため、全巻が完結する前に改訂版の出版が開始され、一部は2000年頃まで改訂が続けられました。

本全集は、当初はほとんどの巻が1人の学者によって執筆されていましたが、執筆者の高齢化や死去に伴い、その弟子にあたる学者が改訂作業に参加するようになりました。中には、当初の執筆者が故人となった後、弟子にあたる学者だけで改訂が続けられているものもあります。

改訂されていないものでも版を重ねているものが多くありましたが、一部には入手困難となっていたものもありました。しかし、有斐閣が2001年10月にオン・デマンド出版を開始したことにより、絶版となっていたほぼ全ての書目がオン・デマンド出版の対象となり、ほとんどの書目が入手可能となりました。さらに2011年7月には、全タイトル（全88巻、188冊）の紙面のPDFファイルが収録されたDVD-ROMが発売され、旧版との対照も容易になりました。

特徴

• - 各分野の第一人者による執筆: 各巻は、それぞれの分野を代表する法学者が執筆を担当しており、専門性の高い内容となっています。
• - 教科書・基本書としての利用: 大学の法学部や法科大学院の授業で教科書として採用されたり、司法試験受験の基本書として利用されたりするなど、教育現場でも広く活用されています。
• - 改訂版の刊行: 法令改正や社会情勢の変化に対応するため、適宜改訂版が刊行されており、常に最新の情報に基づいた学習が可能です。
• - オン・デマンド出版: 絶版となっていた書目もオン・デマンド出版により入手可能となり、研究者や実務家にとって貴重な資料となっています。
• - PDF版の提供: 全巻のPDF版が収録されたDVD-ROMの発売により、旧版との対照が容易になり、研究の幅が広がりました。

まとめ

法律学全集は、日本の法学研究における重要な成果であり、法学を学ぶ上で欠かせない文献です。その質の高さと網羅性から、教育現場や研究現場で広く利用され、日本の法学の発展に貢献しています。

外部リンク

• - 法律学全集 | 有斐閣

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