有馬澄男

有馬澄男：地方競馬を彩った名騎手から名調教師へ

1957年5月9日生まれの有馬澄男氏は、地方競馬において長く活躍した騎手、そして現在は調教師としてその手腕を発揮しています。宮崎県出身、血液型O型。そのキャリアは、中津競馬場でのデビューから兵庫県競馬組合所属に至るまで、数々の輝かしい記録とドラマチックな出来事に彩られています。

中津競馬時代：華麗なる騎手人生の幕開け

1974年10月5日、中津競馬場で騎手としてデビューした有馬氏。翌6日には早くも初勝利を飾ります。その後、類まれな才能で頭角を現し、1985年には地方競馬全国リーディングジョッキーに輝き、全国的な名声を獲得。1989年には通算2000勝、1997年には3000勝という偉業を達成しました。1997年にはJRA（日本中央競馬会）にも初騎乗を果たすなど、地方競馬の枠を超えた活躍を見せています。中津競馬場所属時代は、中央競馬を含め16,473戦3,516勝という驚異的な成績を残し、中津リーディング14回、重賞47勝を記録するなど、その実力は折り紙付きでした。

しかし、中津競馬場の閉鎖に伴い、有馬氏は益田競馬場へ移籍。しかし、益田競馬場も閉鎖されたため、2001年に兵庫県競馬組合へ移籍することになります。移籍を巡っては、兵庫県騎手会の内規により、騎手免許を返上させられ、1年間の厩務員生活を強いられるという出来事もありました。この措置は、移籍前年にリーディングを複数回達成している他の騎手にも同様にとられていたことから、多くの批判を呼びました。

兵庫県競馬組合時代：新たな挑戦と栄光

2002年9月29日、地方競馬騎手免許を再取得した有馬氏は、同年10月の再デビューを目指しました。しかし、調教中の事故により左足を負傷し、再デビューは1ヶ月延期。再デビュー戦では「新人騎手」と自らを謙遜して紹介するなど、その真摯な姿勢は周囲を感動させました。2004年には117勝を挙げ、3つの重賞レースを制覇。特に移籍後最初の重賞勝利となった兵庫大賞典では、ゴール前で大きなガッツポーズを見せるなど、その喜びを爆発させました。同年にはJRA阪神競馬場にも遠征し、初勝利を収めています。

その後も地方競馬での活躍は続き、2009年12月1日には通算4000勝を達成。近年は所属厩舎の成績の影響もあり、勝ち星は減少傾向にありましたが、長きに渡り地方競馬界を牽引し続けました。2014年3月28日には所属厩舎を橋本和男厩舎から雑賀伸一郎厩舎に変更。

調教師への転身と新たなステージ

騎手としての華麗なるキャリアを経て、有馬氏は2015年8月1日、調教師に転身します。地方競馬通算23,528戦4,185勝、中央競馬17戦1勝という輝かしい成績を残しての転身でした。長年の経験と知識を活かし、新たなステージで活躍が期待されています。

ゴールデンジョッキーカップでの活躍

1992年には中津競馬時代に参加したゴールデンジョッキーカップで優勝。兵庫移籍後も、小牧太、岩田康誠といった兵庫県出身のゴールデンジョッキー（通算2000勝達成騎手）がJRAに移籍する中、兵庫県所属の騎手として、川原正一らと共にJRAや他地区所属の騎手と競い合いました。

まとめ

有馬澄男氏の地方競馬での功績は計り知れません。数々の記録、そして数々のドラマを刻んできた彼のキャリアは、これからも地方競馬の歴史に語り継がれていくことでしょう。騎手として、そして調教師として、地方競馬界に多大な貢献を果たした有馬氏の今後の活躍にも期待が集まります。

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