有馬英二

有馬 英二の生涯と業績

有馬英二（ありま ひでじ/えいじ、1883年5月25日 - 1970年4月6日）は、明治から昭和にかけて活躍した日本の医師であり政治家です。彼は正三位という位階を受け、北海道帝国大学の名誉教授として多くの貢献をしました。また、衆議院議員を1期、参議院議員を2期務めた経験も持ちます。現在では、結核の予防に寄与したBCGワクチンの研究者として広く知られています。

学生時代と医師としてのスタート

有馬は、福井県坂井市で旧福井藩藩医の次子として生まれました。1888年に有馬家の養嗣子となり、ともに教育を受ける環境が整います。彼は旧制福井中学校（現在の福井県立藤島高等学校）や第四高等学校を経て、1908年に東京帝国大学医科大学を卒業しました。その後、同大学の青山内科に入局し、医師としてのキャリアをスタートさせます。

朝鮮と北海道での活動

1914年、有馬は朝鮮総督府医院内科に勤務し、1916年には第2内科の科長に就任します。1921年からは北海道大学附属医院の院長や、北海道帝国大学医学部第一内科の教授として結核の診断や予防に係わった業績が評価されます。その中で、彼は特に断層撮影や集団間接撮影（BCG）に取り組み、結核に関する研究を進めました。

結核研究のリーダーとしての活動

有馬は、中央結核研究会の会長や日本胸部疾患学会の会長も歴任し、1941年には北方結核研究会を設立し、その初代会長に就任しました。結核研究の推進に尽力した有馬は、また1944年には樺太医学専門学校の2代目校長に任命されています。このように彼は医学界で多大な影響を与える存在であり続けました。

政治家としての道

1946年3月31日には北海道帝国大学を退官し、名誉教授の称号を得ました。同年4月の衆議院議員総選挙に無所属で出馬し初当選を果たします。しかし、その後、1947年の北海道庁長官選挙には落選し、同年の衆議院議員総選挙には体調不良を理由に立候補を辞退しました。次に彼は北海道庁立女子医学専門学校（後の札幌医科大学）で客員教授を務めます。

1950年には参議院議員通常選挙において国民民主党から当選し、さらに1953年には改進党からも再選されました。政治界では教育政策や医療政策に関与し続けましたが、1959年には政界を引退しました。此外、1941年から1969年までの間、学校法人北星学園の理事長を兼任し、教育振興に寄与しました。

功績と受賞歴

有馬は教育界での貢献により、1963年には藍綬褒章を受章し、また1963年の春には勲二等旭日重光章も授与されました。1970年4月16日、彼は86歳で他界し、死後に従三位から正三位に叙され、銀杯一組も賜りました。このように、有馬英二は医学と政治の両方において重要な役割を果たし、多くの功績を残した人物です。

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