服部黎子

服部黎子（はっとり れいこ）は、1933年（昭和8年）7月2日に生まれた日本の微生物学者です。旧姓は渋沢。

彼女は、日本資本主義の父と称される実業家・渋沢栄一を曽祖父に、その嫡男である渋沢篤二を祖父に持つ、名門渋沢家の出身です。父は、民俗学者や実業家としても知られる子爵・渋沢敬三であり、母は登喜子（ときこ）といい、京都府知事を務めた木内重四郎の娘であり、実業家・岩崎弥太郎の孫にあたります。黎子氏は、この敬三・登喜子夫妻の次女として、東京で生を受けました。

幼い頃から控えめな性格であったと伝えられており、特に父である敬三からは格別の深い愛情を注がれて成長しました。敬三氏の娘に対する愛情は非常に強く、その溺愛ぶりを示すエピソードとして、双葉女学院を卒業し、東北大学を受験する際には、父自らが同伴したといいます。このような恵まれた家庭環境と父の温かい眼差しの下で、黎子氏は人間形成の基盤を築きました。

学業では、双葉女学院での学びを経て、東北大学へと進学しました。この東北大学在学中、後に生涯の伴侶となる生物学者の服部勉氏と出会います。共通の研究分野への関心を通じて絆を深め、結婚に至りました。結婚後、服部黎子氏は夫である服部勉氏と共に、生物学、特に微生物学の分野で精力的に研究活動に取り組んでいます。

彼女の親族には、兄で渋沢家当主を務めた渋沢雅英や、夭折した兄の渋沢紀美がいます。また、父方の叔父には渋沢信雄や渋沢智雄、渋沢秀雄などがおり、母方の祖父が木内重四郎、曽祖父が岩崎弥太郎であるなど、日本の歴史上の著名な人物との血縁関係を有しています。これらの背景は、彼女の人生や学問への取り組みにも少なからず影響を与えていると言えるでしょう。微生物学者としての服部黎子氏の活動は、こうした豊かな知的遺産と、夫との共同研究という形で今日まで続けられています。

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