朝日映画製作

朝日映画製作株式会社とは

朝日映画製作株式会社は、1937年から1949年まで存在した日本の映画製作会社です。ニュース映画、記録映画、アニメーション、影絵映画など、幅広いジャンルの作品を製作しました。戦時中から戦後にかけて、激動の時代を映像で記録し、日本の映画史において重要な役割を果たしました。

前史：ニュース映画から本格的記録映画へ

1924年、朝日新聞社はニュース映画「朝日映画週報」の製作を開始しました。その後、1934年には「朝日世界ニュース」を製作し、全国の映画館で上映しました。当初、製作は朝日新聞社の名義でしたが、実際にはPCL（後の東宝）のニュース映画部門が担当していました。

1936年には、北海道で観測された皆既日食を記録した『黒い太陽』を製作しました。この作品は、後の原爆記録映画に参加する三木茂や、1964年東京オリンピックの記録映画を手がける林田重雄が撮影を担当しました。

朝日映画製作株式会社の設立

1937年9月、東宝映画設立の際、朝日新聞社はPCLのニュース映画部門を買収し、朝日映画製作株式会社を設立しました。設立当初から、『ソ聯邦の軍備』、『戦ふ女性』、『泳げや泳げ』などの作品を製作しました。

1940年には、歌唱指導映画『出征兵士を送る歌』や、影絵映画『お蝶夫人の幻想』を公開しました。この年で「朝日世界ニュース」は終了しました。1941年には、影絵映画『ジャックと豆の木』を公開しています。1942年には、影絵映画『かぐや姫』を公開しました。

株式会社朝日映画社への統合

1943年7月、朝日映画製作株式会社は、芸術映画社など8社を吸収合併し、株式会社朝日映画社となりました。これにより、日本映画社、理研科学映画、電通映画社とともに、戦時中を代表するプロダクションの一つとなりました。同年、影絵アニメーション映画『ニッポンバンザイ』を公開しました。

1944年には、記録映画『転換工場』や、アニメーション『フクちゃんの潜水艦』を公開しました。1945年には、記録映画『わたし達はこんなに働いてゐる』を公開しました。

戦後の再出発と解散

1945年、戦後の短編映画第1作として、ニュース映画『君達は喋ることが出来る』を製作しました。その後、『戦災者の声』、『明日の婦人達』、『腕をくんで』などを製作しましたが、左翼的すぎたため映画館に受け入れられず、一旦解散しました。しかし、従業員の反対と占領軍の命令により解散を撤回し、再発足しました。

1946年には、朝日新聞、毎日新聞、読売新聞から役員を迎え増資を行い、製作局長には大村英之助が就任しました。また、「新世界ニュース」を製作し、演芸映画『麗人歌合戦』を製作しました。

1947年2月、「新世界ニュース」に合わせて、社名を新世界映画社と改称しました。同年、影絵映画『椰子の実』を公開しました。1948年には、記録映画『古代の農民生活 登呂』や、『少女たちの発言』を製作しました。

1949年には、『号笛なりやまず』を製作しましたが、同年2月には債務超過のため業務を停止し、解散しました。

朝日映画製作株式会社、そしてその後身である株式会社朝日映画社、株式会社新世界映画社は、戦前・戦後の激動期において、様々な映像作品を世に送り出しました。これらの作品は、当時の社会情勢や人々の生活を記録した貴重な資料として、現在も価値を持っています。

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