朝雲 (駆逐艦)

駆逐艦「朝雲」

「朝雲」は日本海軍の駆逐艦で、一等駆逐艦朝潮型（満潮型）の5番艦にあたります。1944年に発生したレイテ沖海戦では西村艦隊の一員として活躍しましたが、敵艦隊の砲撃により沈没しました。艦名は後に海上自衛隊の「あさぐも」に引き継がれています。

建艦と艦歴

「朝雲」の建造は1936年に始まり、神戸の川崎造船所で進められました。1937年12月に起工し、1938年には進水・竣工を果たしました。その後、第41駆逐隊に編入されましたが、1939年には第9駆逐隊に所属を変更し、1940年には横浜港での満艦飾が日本ニュースに収められました。

初期の戦闘任務

太平洋戦争が始まると、「朝雲」は第9駆逐隊の一員として活躍し、ビガンやリンガエン湾での上陸作戦を支援しました。その後、タラカンやバリクパパンの攻略作戦にも加わり、スラバヤ沖海戦では艦隊の勝利に貢献しましたが、一時損傷を受けるという厳しい戦況も味わいました。

ソロモン戦域の参戦

不時着した飛行艇の捜索なども行いながら、1942年からはソロモン諸島戦線において多くの輸送作戦や救助活動を展開。高間完中将の指揮下での第三次ソロモン海戦でも活躍しましたが、艦隊の陣形崩壊や航空襲撃にさらされるなど厳しい状況も続きました。

戦争の中盤から終息に向かう期間

1943年になると、ガダルカナル島撤収作戦やラバウル輸送作戦に従事し、数多くの忌まわしい出来事に直面します。月の満ち欠けのように危機的な状況も見舞われましたが、最後まで任務を全うし続けました。

レイテ沖海戦

1944年10月、レイテ沖海戦に参加する際は、艦隊は米艦隊との激闘を繰り広げました。「朝雲」は艦首を喪失しながらも撤退を図りましたが、最終的に米軍駆逐艦からの集中攻撃によって沈没。これにより、多くの乗員が命を落とし、その一部は後に捕虜となりました。

歴代艦長

「朝雲」の指揮を執った艦長には、森可久、中村謙治、脇田喜一郎らが名を連ねています。いずれの艦長も艦の運用に尽力し、その戦況の中で艦を守るため努力を重ねました。

「朝雲」は、太平洋戦争を通じて多くの戦闘に参加し、艦隊の重要な一員としてその位置づけを堅持しました。その活躍の歴史は、今もなお多くの人々の記憶に刻まれています。

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