朝鮮の軍事

朝鮮の軍事

朝鮮の軍事、特に朝鮮王朝（李氏朝鮮）以前の時代を含む高麗の軍事制度から始まり、その発展と特徴を見ていきます。

高麗の軍事制度

高麗時代には、軍事制度として二軍と六衛が設けられました。二軍は鷹様軍と龍虎軍、六衛は左右衛、神虎衛、興威衛、金吾衛、千牛衛、監門衛から成り、それぞれの下には部隊が所属していました。各領は1000名の正規軍と600名の予備兵から構成され、合計で45の領が存在しました。指揮官には上将軍と大将軍が1名ずつ配置され、指揮する領の数に応じて、各領には将軍や中郎将が割り当てられていました。

下級将校たちにも会議機関があり、これを校尉房と呼んでいました。全国の軍隊は、この二軍六衛に所属していました。

予備兵団として光軍と別武班も設けられ、光軍は契丹に備えるための30万人の予備軍団でした。別武班は女真に対抗するために設立され、騎兵と歩兵の混成から成り、特に馬を持つ者が編入されていました。別武班も正規軍のように四季を通じて訓練を受けていました。

戦時には五軍が編成され、左軍、右軍、中軍、前軍、後軍が出征します。総指揮を執るのは、行営都統使などの重臣からの任命を受けた者でした。

朝鮮王朝の軍事制度

朝鮮王朝の軍事制度は、高麗の制度を基にして整備されていきました。初代国王の李成桂は即位した翌日に高麗の名称を残しつつ、軍事機関の改革を行い、義興親軍衛を設置しました。この制度により、全国の軍事を統括する官庁が設立され、兵力の訓練と資源の管理が行われるようになりました。

軍事機関は義興の三軍府を中心に構築され、1395年には十衛が設置され、その後、軍の編成と指揮系統が整理されました。特に第5代国王文宗の時に、部隊の数を減らしつつも兵力は増強され、各兵種が均等に配置されました。軍事制度は1457年頃に再編成され、五衛が設けられましたが、その後、さまざまな戦争でその限界が示されました。

地方においても、中央から指揮が入るように編成が見直され、各道には兵馬使が配置されました。地方官も軍事職を兼務することが望まれ、このようにして地方軍制が確立されていきました。

末期の軍事変遷

李氏朝鮮の末期には、新しい軍隊として別技軍が編成されましたが、近代的な軍事編成には至らず、1907年には日本により軍隊が解散されました。

軍事技術の発展

軍事技術の発展も重要な側面です。初期には陣法が整備され、兵書が編纂されました。文宗の時には『東国兵鑑』や『歴代兵要』といった兵書が重要視され、それにより戦術が体系化されました。武器製造も進化を遂げ、特に火薬を使用した武器が開発され、性能も飛躍的に向上しました。

また、海戦用の亀甲船や鼻居刀船などが製造され、戦術面でも大きな強化がなされました。しかし、対外関係が安定してからは武器技術は停滞し、後の戦争での苦境につながりました。

参考文献

この内容は、ダウムからの公開情報を基にまとめたものです。

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