朝鮮民主主義人民共和国の国際関係

朝鮮民主主義人民共和国の国際関係

朝鮮民主主義人民共和国（北朝鮮）は、2023年11月1日時点で159カ国と国交を持っていますが、在外公館を構えている国は何と24カ国に過ぎません。この状況は、2017年以降断交や撤退が進んでおり、2021年にはさらに減少し、13カ国へと縮小しています。

近年、北朝鮮の在外公館は不法な外貨獲得活動を行ってきましたが、国際的な制裁が強化され、運営資金の不足が重なり、2023年には閉鎖される公館が相次いでいます。その結果、2023年11月29日には在外北朝鮮公館数が53から46に減少しました。

歴史的背景

北朝鮮は歴史的に西側諸国と距離を置いてきました。1970年代から80年代には、日本人や韓国人の拉致事件が発生し、これにより北朝鮮と日本・韓国の関係は悪化しました。特に、1976年から77年にかけて外交官による薬物密輸が問題視され、ノルウェーやベネズエラが北朝鮮を非難する事態に発展しました。1983年にはミャンマーでのラングーン事件や、1987年の大韓航空機爆破事件が国際的に厳しく批判され、北朝鮮は国際的な孤立を深めていきました。

1990年代には、韓国がソ連や中国と国交を樹立したことにより、北朝鮮の依存していた経済支援が減少。逆に米国は北朝鮮が偽札を作成している問題を指摘し、核問題が北朝鮮の国際関係における主要な課題となりました。

2003年には北朝鮮が核拡散防止条約から脱退し、同年の六者会合を通じて外交的解決を目指しましたが、核実験を繰り返した結果、国際的な非難が高まりました。

国際関係の現状

北朝鮮の国際関係は、核問題を中心に動いています。アメリカとの関係は冷え込み、ミサイル発射や核実験を続けた結果、国際社会からは厳しい経済制裁が課せられています。一方で、対中関係は比較的良好であり、中国が北朝鮮の最大の貿易相手国であることから、経済的な依存は依然として続いています。

他方、日本との関係は、拉致問題や核問題により緊張したままです。また、イランやシリアといった国々との軍事的な交流も存在し、これらの国との連携は北朝鮮にとって重要な位置づけとなっています。

まとめ

朝鮮民主主義人民共和国の国際関係は、過去の歴史的経緯や現在の国際情勢によって複雑化しています。国交を持つ国が減少する中で、北朝鮮は経済的支援を中国に依存しつつ、武力や軍事技術を持つ国々との関係を重視しています。また、国際社会からの孤立も深まる中、北朝鮮は自国の立場を強化するための手段として、様々な外交戦略を模索しています。

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