木下俊愿

木下俊愿（きのした としまさ）

木下俊愿は、豊後国日出藩の第16代、つまり最後の藩主です。正五位の位階を持ち、従五位下・大和守の官位にありました。

生涯

13代藩主・木下俊敦の七男として生まれました。慶応3年（1867年）5月29日、兄である先代藩主・俊程の隠居により家督を継承しました。

幕末の動乱期、日出藩内は佐幕派と尊皇派に分裂し、対立が生じました。そのような状況下、俊愿は藩論を尊皇派にまとめ、戊辰戦争では新政府に味方することを決断しました。慶応4年（1868年）1月13日には上洛し、16日には参内して新政府支持の姿勢を明確に示しました。明治元年（1868年）9月2日には、足守藩主の木下利恭とともに新政府に対し、豊国神社の造営を願い出ました。

明治2年（1869年）6月20日、版籍奉還により知藩事となりました。その後、藩の行政改革を推進しましたが、重税を課したことが原因で領民による一揆が発生しました。明治4年（1871年）の廃藩置県により、日出藩は廃止されました。

明治13年（1880年）4月15日に44歳で亡くなりました。墓所は東京都港区の青山霊園にあり、神式で葬られています。

木下家は、1884年の華族令により、俊愿の嗣子である俊哲に子爵が授けられ、華族に列せられました。

系譜

実父: 木下俊敦
養父: 木下俊程
正室: 綾子（伏原宣諭の娘）
子女:
木下俊忠（長男、生母：綾子）
木下俊哲（次男、生母：綾子）
木下俊義
柳沢俊信
木下恒子（大谷光瑩室）
木下律子（堀直紹正室）

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