木下直之

木下直之のプロフィール

木下直之（きのした なおゆき）は、1954年生まれの美術史研究者であり、東京大学の名誉教授として文化資源学を担当し、静岡県立美術館の館長を務めるなど、広範な分野で活躍しています。彼の専門分野は博物館学、美術史、写真史、さらには見世物研究に及び、多岐にわたる興味と探求心を持つ学者です。

経歴

彼は静岡県浜松市で生まれ、静岡県立浜松北高等学校を卒業後、東京藝術大学美術学部芸術学科に進学し、1979年に卒業しました。その後、兵庫県立近代美術館で学芸員としてのキャリアをスタートし、1981年に大学院を中途退学しました。1991年には倫雅美術奨励賞を受賞し、さらに1993年出版した『美術という見世物-油絵茶屋の時代』でサントリー学芸賞と兵庫県ゆずりは賞を受賞しました。

木下は1995年に兵庫県立近代美術館の学芸課長に就任し、1996年には重森弘淹写真評論賞も獲得しました。1997年以降、東京大学総合研究博物館の助教授を経て、2004年に教授に就任しました。この間、東京大学構内に残る明治以来の教授たちの肖像画を集成した『博士の肖像』展を企画するなど、教育や展示活動とも積極的に関わりました。

2005年には静岡県文化奨励賞を受賞し、2008年には『わたしの城下町』で芸術選奨文部科学大臣賞を受賞しました。2015年、春の褒章で紫綬褒章を受章し、2017年には静岡県立美術館の六代目館長に就任しました。2019年には東京大学を定年退職し、名誉教授となっています。

主な著書

木下直之は、多くの著作を執筆しており、その中でも特に有名なのが「美術という見世物」というテーマに関する書籍です。この作品は、1993年に出版されたもので、後にちくま学芸文庫や講談社学術文庫から再版されるなど、多くの人々に読まれています。また、『博士の肖像』や『写真画論－写真と絵画の結婚』、さらには最近の著作『動物園巡礼』に至るまで、彼の作品は美術とその背景に関する深い洞察を提供しています。

さらに、木下は編著としても著名で、全40巻に及ぶ『日本の写真家』や、美術史に関する講座など、多彩な書籍を手掛けています。彼の研究は、美術史と博物館学の橋渡しをする役割を果たし、多くの人々に影響を与えてきました。

まとめ

木下直之の業績は、学術界においてだけでなく、社会全体においても深い影響を持っています。彼の研究と著作は、美術に対する理解を深める手助けとなり、多くの人が美術の魅力を再認識するきっかけとなっています。今後も彼が新たな研究を進めていくことを期待されています。

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