木内 (企業)

株式会社木内の概要

株式会社木内、通称木内デパートは、秋田県秋田市に本拠を構える企業で、かつて地域に根差した百貨店を運営していました。この百貨店は1899年に創業し、長い歴史を有していましたが、2020年3月から新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、営業を休止しています。

沿革

• - 1866年: 久保田藩士・木内俊茂が茶や文具を扱う「木内商店」を設立。
• - 1910年: 秋田市にショーウィンドー付きの店舗を開設。
• - 1932年: 合資会社木内雑貨店を設立し、法人化。
• - 1950年: 2代目社長に木内トモが就任。
• - 1951年: 合資会社木内に改称し、百貨店事業を開始。

百貨店としての歴史は、1950年代から本格的に始まりました。当初は秋田市新屋浜放水口近くに位置し、地域イベントや美術展の開催など、積極的な地域密着型の活動を展開しました。昭和30年代には「士魂商才」を掲げた女性社長の下で成長を続け、秋田駅前広小路通り周辺と共に賑わいを見せました。

拡張と成長

1955年、木内デパートは新大規模店舗が完成し、秋田県初のエスカレーターを導入するなど、先進的な取り組みを行いました。エスカレーターガールの存在もあって、買い物客を魅了し、地域の中心的商業施設としの地位を確立しました。1967年に木内トモが逝去した後は、木内一が3代目社長として経営を引き継ぎました。

1972年には売場面積が大幅に拡大し、観覧車や展望台のある屋上遊園地が人気を博しました。昭和40年代から50年代には年間130億円の売上を誇り、「秋田の三越」と称され、包装紙も広く支持されました。これにより、秋田の贈答品市場での影響力も確立しました。

競争と衰退

しかし、1980年代となるとモータリゼーションが進展し、郊外型ショッピングセンターの台頭により、中心市街地の集客力が低下し始めました。1990年には日本百貨店協会から脱退し、1991年には売場を縮小。1990年代以降は徐々に営業規模が縮小されていきました。

2009年、木内一が急死し、同年には長女の木内信子が社長に就任しました。彼女は新たな経営戦略を打ち出しつつ、老朽化対策や駐車場の無料化を試みましたが、2020年3月以来、COVID-19の影響で休業しています。

現在の状況

株式会社木内は、現在まで長い歴史を有する地域密着型の企業として知られ、多くの地元の人々に愛されてきました。しかし、近年の環境変化やパンデミックの影響を受け、歴史的な店舗としての存続がどうなるかが注目されています。

近隣施設

木内デパート周辺には、エリアなかいちや秋田中央道路、各種銀行や警察署などが点在し、地域の中心的な存在であり続けています。このような地域とのつながりも、株式会社木内の誇るべき資産の一つです。

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