木幡巧也

木幡巧也：華麗なる騎手人生と課題

1996年生まれのJRA所属騎手、木幡巧也。彼は、日本中央競馬会所属騎手である木幡初広を父に持ち、兄と弟もJRA所属騎手という、まさにサラブレッド一族の出身です。幼い頃から父の姿を見て育ち、小学校4年生で騎手を志したという彼のキャリアは、順風満帆とは言い難いながらも、着実に成功を収めてきました。

2012年、競馬学校に入学した木幡巧也は、厩舎研修での評価により1年間の留年を経験します。しかし、持ち前の才能は隠すことができず、卒業時には、優秀な騎乗技術を持つ者に贈られるアイルランド大使特別賞を受賞。同期には、荻野極、菊澤一樹、坂井瑠星、藤田菜七子、森裕太朗といった、後に活躍する騎手たちが名を連ねています。

2016年、美浦の牧光二厩舎からデビュー。デビュー戦こそ10着に終わりましたが、デビューから間もない3月27日には初勝利を挙げ、同期最速でその栄光を掴みました。さらに、4月2日には中山競馬場7レースで、父初広、兄初也と共に親子3人での同一レース騎乗という歴史的快挙を達成。自身が見事に1着を獲得し、その名を競馬界に轟かせました。

同年の新潟開催では、新人リーディング争いを最後まで演じ、惜しくも2位に終わりましたが、その活躍は高く評価され、45勝を挙げてJRA賞最多勝利新人騎手表彰、民放競馬記者クラブ賞を受賞。飛ぶ鳥を落とす勢いで、競馬界のトップへと駆け上がっていきました。

しかし、彼の成功の裏には、常に課題がありました。それは、制裁の多さです。デビュー年である2016年には、JRA所属騎手の中で最も多い77点の制裁点を記録。翌2017年も105点と、ワースト1位という結果となりました。類まれな才能と、時に垣間見える危うさ、その両面を併せ持った騎手と言えるでしょう。

それでも、彼は成長を続けました。2017年にはローズプリンスダムで重賞初制覇を果たし、2019年にはJRA通算100勝を達成。そして、2020年には、最低人気馬ミライヘノツバサでダイヤモンドステークスを制し、JRA史上3番目となる高配当を記録する大金星を挙げました。さらに、同馬で天皇賞（春）にも出走し、GI初騎乗という大きな経験も積んでいます。

2023年には、JRA通算200勝という大きな節目を達成。彼のキャリアは、華々しい勝利と数々の制裁、そして常に挑戦を続ける姿、そのすべてが織りなすドラマと言えるでしょう。木幡巧也という騎手の、今後の活躍に期待せずにはいられません。

主な騎乗馬:

ローズプリンスダム (2017年 レパードステークス)
ミライヘノツバサ (2020年 ダイヤモンドステークス)
* ウシュバテソーロ (2022年 ブラジルカップなど)

出典: JRA騎手名鑑

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