木幡駅 (京阪)

木幡駅：宇治川と山科川の合流点に位置する歴史ある駅

京都府宇治市木幡西中にある京阪電気鉄道宇治線の木幡駅は、1913年（大正2年）の宇治線開業と同時に開業しました。駅番号はKH74です。近隣のJR西日本奈良線にも木幡駅がありますが、読み方が異なる点が興味深いところです。京阪電鉄の木幡駅は「こわた」、JR奈良線は「こはた」と読み、周辺地名には「こばた」と読む地域もあるなど、多様な読み方が存在しています。

水害多発地帯の歴史

木幡駅周辺は宇治川と山科川が合流する扇状地で、かつては木幡池が存在するなど、水害多発地域として知られていました。駅開業当初から度重なる水害に見舞われ、特に山科川は度々氾濫を引き起こし、駅周辺に大きな被害をもたらしました。

大正大洪水（1917年）、室戸台風（1934年）、京都水害（1935年）といった大規模な水害をはじめ、梅雨前線や台風による豪雨で何度も浸水被害を受けました。昭和20年代から30年代にかけても、度重なる水害により駅や周辺地域は大きな被害を被り、幾度となく復旧作業が行われました。これらの経験から、宇治川の堤防強化や山科川の堤防新設、宇治川と山科川の合流地点の変更といった治水対策が昭和時代に実施されました。

駅の変遷と改良

開業以来、度重なる水害と利用者の増加に対応するため、木幡駅は幾度かの改良工事を経てきました。1943年には京阪神急行電鉄、1949年には京阪電気鉄道となり、所属会社が変わりました。1951年には改築工事が行われ、1981年には宇治行き駅舎の建て替え、自動券売機の新設、視覚障害者用誘導ブロックの設置などが行われました。1998年には構内踏切が廃止され、バリアフリー化の一環として車椅子用スロープが設置されました。

駅構造と利用状況

木幡駅は地上駅で、相対式2面2線のホーム構造です。かつては構内踏切があり、ホーム間の移動が可能でしたが、自動改札機の導入と中書島方面ホーム側の改札口終日使用開始に伴い、安全対策として廃止されました。ホーム有効長は5両分です。宇治方面の改札口には早朝と深夜を除き駅員が配置されています。

利用状況は近年減少傾向にあります。2009年11月10日の乗降人員は6,402人でしたが、その後は減少傾向にあり、2019年には2,899人まで減少しています。これは周辺地域の社会情勢の変化や、交通手段の変化などが影響していると考えられます。

駅周辺環境

木幡駅周辺は住宅地が広がっており、静かな住宅街となっています。駅周辺には生活に必要な施設が整っており、住みやすい環境です。

隣の駅

まとめ

木幡駅は、歴史的な水害と、それに伴う駅周辺の整備の歴史を刻んできた駅です。現在も、多くの住民の生活を支える重要な交通拠点として機能しています。 周辺の住宅地の発展と、時代の変化に対応しながら、これからも地域に貢献していくことが期待されます。

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