木曜会 (貴族院)

木曜会の歴史

木曜会（もくようかい）は、明治時代に日本の貴族院で活動していた院内会派で、1897年に形成され1913年まで存続しました。この会派の設立は、当時の政治情勢や議員の立場に起因しています。木曜会は、研究会から分離した男爵議員によって設立され、議員の身分によって会派が形成される時代の中で独特の役割を果たしました。

設立の背景

木曜会の設立は、1897年の有爵議員相互選挙の直後に、研究会に含まれていた男爵議員16名が中心となり行われました。設立当初、貴族院内では旧公家や旧大名といったものではなく、爵位や勅選議員といった新たな分類による会派結成が主要な動きとなっていました。しかし、男爵議員はマジョリティとして孤立しており、権力を持つ議員たちに対抗する力が不足していました。これに対して、千家尊福や杉渓言長といった議員たちは、男爵議員の総力を結集する必要性を感じ、木曜会を設立する運びとなったのです。

成長と権力の獲得

木曜会は設立からわずか一年後には、他の男爵議員や勅選議員の加入を受けて、院内交渉団体として正式に認められました。その後の1904年には56議席のうち43議席を獲得し、会派の人数も急増。5年後には、勅選議員を含む53名にまで成長を遂げます。これにより、木曜会は男爵議員の中堅会派としての地位を強化しました。

内部対立と分裂

しかし、木曜会内部の政治的な立場の違いが明らかになります。会の代表である千家は、立憲政友会に近い立場だったことから、他の議員との間に亀裂が生じました。1908年に司法大臣として入閣したことが契機となり、内部での議論が激化し、1910年には10名の議員が会を離脱する事態が発生します。その後も離脱者が続き、1913年には清交会を結成するに至ります。このように、木曜会と清交会両者の間で分裂と離脱が重なり、木曜会は次第に力を失っていきました。

解散とその後の影響

1911年には、清交会が解散し無所属議員や他の会派に分散します。一方の木曜会も1913年には解散し、残ったメンバーは研究会に復帰したり土曜会に合流するなどしました。このように、木曜会は短期間の中で非常にダイナミックな活動を行いながらも、内部の対立によって最終的には消滅してしまう運命をたどりました。

木曜会の結成から解散にかけての流れは、明治時代の政治の変遷や議員間の複雑な人間関係を映し出しています。そして、1919年には公正会結成運動が見舞うまで、男爵議員が分散した状態が続いていくことが示されているのです。

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