木曽一里塚

木曽一里塚（きそいちりづか）

東京都町田市木曽西四丁目にある木曽一里塚は、1969年に町田市の指定文化財として認定された歴史的な遺構です。この場所は、ただの道の名残ではなく、古代から近世にかけて重要な交通路とされていた道筋の一部を形成しています。

歴史的背景

木曽一里塚がある道は、古くから奥州へ向かう奥州古道の一部として利用されていました。鎌倉時代には、府中から鎌倉へと向かう鎌倉街道となり、江戸時代には大山詣りをする人々が往来する大山道として賑わいを見せました。このように、木曽一里塚は多くの歴史的な移動の舞台となったのです。

特に注目すべきは、元和3年（1617年）に徳川家康の櫃を日光へ運ぶために整備された御尊櫃御成道の一環として、この一里塚が造られた点です。作成に関与したのは、大久保石見守長安であると伝えられています。木曽一里塚は、道の両側に一対存在していたうち西側の塚のみが現在まで残っています。史跡の面積は約10坪（およそ33平方メートル）で、塚の上には武蔵御岳山の神である大口真神を祀る小さな祠があります。

文化的な意義

木曽一里塚は、歴史的な交通の要所としてだけでなく、地域の文化と信仰の交差点でもあります。江戸時代以前までは、榎の大きな木があり周囲の景観と調和していましたが、戦前の時期に伐採されてしまったそうです。

周辺の一里塚

木曽一里塚の周辺には、その歴史を感じさせる他の一里塚も点在しています。隣接する下溝一里塚は、『新編相模国風土記稿』でも言及されている場所で、江戸時代には二ッ塚として知られていましたが、現在は維持されていないそうです。推定された場所は相模原市南区麻溝台にあたります。

また、小野路一里塚も木曽一里塚と同じく現存する一里塚のひとつで、町田市小野路町に位置しています。こちらは町田市内での交通の便を考えると、訪れる価値があるスポットとなっています。

周辺観光スポット

木曽一里塚周辺には、訪れる人々に魅力的な観光スポットがいくつか存在します。まず、吉祥山覚円坊は木曽観音堂として親しまれており、武相卯歳観音霊場の33番札所です。また、木曽宿も近くにあり、府中から小野路、厚木を経て大山へ至る大山道の宿場として歴史的な重要性を持ちます。さらに、木曽山福昌寺は徳川家康の一行が休息を取った場所とされており、歴史愛好家には興味深い場所です。

交通アクセス

木曽一里塚へは、東京都町田市木曽西四丁目14番地に位置しており、アクセスも便利です。バスでは神奈川中央交通の上横町バス停が近く、鉄道ではJR横浜線の古淵駅が利用できます。訪れる際には、これらの交通手段を活用し、歴史的な名所を散策してみるのも良いでしょう。

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