麻溝台

麻溝台について

麻溝台（あさみぞだい）は神奈川県相模原市南区に位置する地区で、居住エリアと地名としての意義を持っています。この地域は、住居表示が行われた麻溝台一丁目から八丁目と未実施の地番地域（大字麻溝台）から成り立っています。「麻溝台」という名前は、かつてこの地域が属していた高座郡麻溝村に由来しており、その名の背後には、多くの歴史的変遷があります。

地理

麻溝台は相模原市南区の中央部に位置し、平坦な相模原台地の上に広がっています。北側は神奈川県道・東京都道52号相模原町田線を挟んで北里一・二丁目や大野台四丁目と接し、東は西大沼五丁目と双葉一丁目、南は双葉二丁目と相模台七丁目、西側は下溝地区と隣接しています。地形は相模川の左岸に形成された上・中・下段の河岸段丘によって成り立っており、中央部には目久尻川の源流へ続く浅い谷が存在します。

歴史的背景

この地域は元々、相模国高座郡下溝村の一部であり、1889年に当麻村と合併して高座郡麻溝村が成立しました。1882年には全国的な地図作成のための一等三角点がここに設置されるなど、地理的にも重要な地区でした。開墾が始まったのは1884年からで、特に大正時代には養蚕業の発展がありました。

1936年には陸軍に多くの土地が買収され、演習場として利用されたため、多くの住民が立ち退きを余儀なくされました。その際、兵役を終えた人たちが新たに農業へ戻ってくる動きが見られ、様々な帰農組合が設立されました。1945年の戦後、日本へ帰還した開拓者たちによって再び開墾が行われました。

農業と工業の発展

1948年には麻溝台開拓農業協同組合が設立され、開拓された土地は農業生産の中心となりました。この地区の農業は1970年代前半でピークを迎えましたが、緘口（かんこう）化の進展と共に、多くの養鶏場が設立され、農業地域の発展が促進されました。しかし、2000年頃からは養鶏業の衰退が見られ、宅地化が進むにつれて新たに流入した住民との間で悪臭問題などの摩擦も生じました。

近年の発展

1989年には神奈川県道507号相武台相模原線を境に住居表示が実施され、麻溝台一丁目から八丁目が新設されるとともに、地域の宅地化が進みました。しかし、県道以西は市街化調整区域に指定され、農地が多く残されており、耕作放棄された土地や産業廃棄物置場として利用される場所も見受けられます。

2021年の時点では、この地域には麻溝台中学校や相模原市立麻溝公園、さらには相模原友愛温泉病院などの公共施設や教育機関が存在します。

おわりに

このように、麻溝台は歴史的背景が豊かで、地名が世代を超えて受け継がれています。また、現在も地域の特性を生かした発展が続いています。今後の麻溝台の発展がどのような方向に進むのか、地域住民や行政の取り組みに期待が寄せられるところです。

もう一度検索