木曽川用水

木曽川用水について

木曽川用水は、愛知用水、三重用水と共に、中京圏における水需要を支える重要な役割を担う用水路です。独立行政法人水資源機構によって建設され、主に名古屋市を含む愛知県尾張地域、知多半島、岐阜県美濃地域、そして三重県北部地域といった広範囲にわたり、上水道、工業用水、農業用水を供給しています。

木曽川用水の沿革

木曽川用水は、高度経済成長期における名古屋市の人口急増に対応するため、上水道の安定供給を最重要課題として建設されました。また、中京工業地帯の発展に伴う工業用水需要の増大、そして濃尾平野での農業を支えるための灌漑用水の確保も、建設の大きな目的でした。

この用水路は、上流部と下流部に分割して運用されています。上流部は、岐阜県下呂市にある岩屋ダムを水源とし、飛騨川にある上麻生ダムの貯水池から取水しています。取水された水は、トンネルや水管橋を通り、美濃加茂市にある蜂屋調整池・上飯田調整池に一旦貯えられ、その後、木曽川右岸地域へ供給されます。一方、下流部は木曽川本川の河口から26km上流に位置する木曽川大堰（馬飼頭首工）を水源としています。ここで取水された水は、名古屋市の上水道として利用されるほか、濃尾地域には農業用水として、海部幹線水路を通じて供給されます。さらに、三重県には木曽川水管橋や揖斐長良川水管橋などを経由して、農業用水、上水道、工業用水が供給されます。また、長良川河口堰と連携することで、長良導水を通じて知多半島の上水道や東海工業地域へ工業用水も供給しています。

この大規模なプロジェクトの総工費は、722億円にのぼります。

関連施設

木曽川用水は、以下の多くの施設によって支えられています。

岩屋ダム: 木曽川用水上流部の水源となるダムです。
馬瀬川第二ダム: 岩屋ダムと共に、安定した水供給を支えます。
白川取水口: 上麻生ダム（中部電力）の貯水池から取水する施設です。
蜂屋調整池: 取水された水を一時的に貯水する施設です。
上飯田調整池: 同様に、取水された水を貯水する役割を担います。
木曽川大堰（馬飼頭首工）: 木曽川本川から取水するための堰です。
海部幹線水路: 濃尾地域へ農業用水を供給するための幹線水路です。
長良川河口堰: 長良川からの取水を制御する堰です。
三重導水: 三重県へ水を送るための導水路です。
長良導水: 知多半島や東海工業地域へ工業用水を送る導水路です。
木曽川水管橋: 木曽川を横断して水を送るための水管橋です。
揖斐長良川水管橋: 揖斐川・長良川を横断する水管橋です。

これらの施設が有機的に連携することで、広範囲にわたる地域へ安定した水供給を可能にしています。

外部リンク

より詳細な情報については、以下の独立行政法人水資源機構の公式ウェブサイトをご覧ください。

* 独立行政法人水資源機構木曽川用水総合管理所


木曽川用水は、中京圏の発展に不可欠な社会インフラであり、今後もその重要性は増していくと考えられます。

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