木村俊夫

木村俊夫（きむら としお）

木村俊夫は、1909年1月15日に三重県の東員町で生まれた日本の政治家です。彼は後に東員町名誉町民となり、家族には政治家が多く存在しました。祖父の木村誓太郎や父の木村秀興も衆議院議員でした。木村は旧制第三高等学校を卒業後、1938年に東京帝国大学法学部の法律学科と政治学科を卒業しました。その後、高等文官試験に合格し、逓信省に入省します。

戦時中、逓信省と鉄道省の統合により運輸通信省が設立され、木村はその後運輸省に移ります。戦後、彼は政治家に転身し、1949年の第24回衆議院議員総選挙で旧三重1区から無所属で当選しました。その後、自由党に参加し、当選を重ねて12回の当選を果たします。

初めは目立たない存在でしたが、1966年から1971年にかけて、佐藤栄作政権の下で注目されるようになりました。1966年に内閣官房副長官に任命され、翌年には内閣官房長官に就任。しかし、1968年には保利茂に官房長官の職を譲り、再び副長官に戻りました。この期間、沖縄返還における「核抜き本土並み返還」の実現に向けて尽力しました。

1971年には経済企画庁長官に就任し、外務大臣が入院した際には臨時代理としてその役割も果たしました。1972年の自由民主党総裁選挙では福田赳夫を支持し、1974年には田中角榮内閣において外務大臣に抜擢されます。現職の外相として初めて、ナイジェリアを含むサハラ以南のアフリカの四カ国を訪問しました。

その後、木村は無派閥の政治家として活動し、自由民主党アジア・アフリカ問題研究会の代表世話人に就任しました。彼は党内のハト派の象徴的な存在となり、1983年には勲一等旭日大綬章を受章しました。引退後の同年、木村は総選挙には出馬せず、12月1日に心不全で亡くなりました。享年は74歳でした。

木村俊夫の政治家としてのキャリアは、沖縄返還や外務大臣としての活動を通じて日本の戦後の政治に大きな影響を及ぼしました。彼の生涯は、多くの功績と深い政治経験に裏打ちされており、彼の名は日本の政治史にしっかりと刻まれています。

もう一度検索