北村正哉

北村正哉：青森県の発展に尽くした政治家

北村正哉（きたむら まさや、1916年5月3日 - 2004年1月26日）は、青森県知事を4期にわたり務めた政治家です。県議会議員、副知事としての経験も持ち、青森県の発展に大きく貢献しました。

生い立ちと軍歴

北村正哉は、上北郡三沢村（現在の三沢市）で牧場主の長男として生まれました。先祖は会津藩士で、西洋式牧場の経営にも携わっていました。旧制野辺地中学、盛岡高等農林学校を経て、大日本帝国陸軍の獣医部に編入。獣医少佐としてインドネシアで終戦を迎えました。

政治家としてのキャリア

戦後、北村は1952年に大三沢町議会議員に初当選し、政治の世界へ足を踏み入れました。その後、青森県議会議員を3期務め、1967年からは竹内俊吉知事の下で副知事を3期連続で務めました。副知事時代には、むつ小川原開発において政府や企業との交渉にあたり、その手腕を発揮しました。

知事としての功績

1979年、北村は竹内俊吉の後継者として青森県知事に当選。知事としては、町議時代からの持論であった「産業構造の高度化」を掲げ、道路、鉄道、空港、港湾などのインフラ整備に力を注ぎました。特に東北新幹線の青森延伸には強い情熱を燃やし、計画の凍結や延期を経験しながらも、粘り強く盛岡駅以北の早期着工を訴え続けました。その功績から「ミスター新幹線」と呼ばれることもありました。

また、北村は六ヶ所村への核燃料再処理施設の誘致を推進し、1985年に施設受け入れを決定しました。この決断は、青森県のエネルギー政策において重要な転換点となりました。さらに、1987年には「青秋林道建設の見直し発言」を行い、後のユネスコ世界遺産である白神山地の自然保護につながる道を拓きました。1994年には、世論を受けて三内丸山遺跡の永久保存を決定し、貴重な文化遺産の保護にも貢献しました。青森朝日放送の開局にも尽力するなど、多岐にわたる分野で青森県の発展に貢献しました。

知事退任後と晩年

1995年の知事選では、5選を目指しましたが、木村守男に敗れました。同年、勲一等瑞宝章を受章しました。知事退任後は、糖尿病などの病気で入退院を繰り返していましたが、2003年12月下旬に脳梗塞で倒れ入院。危篤状態が続いた後、2004年1月26日に87歳で亡くなりました。

家族

妻・幸子とは円満な夫婦関係を築き、晩年は共に闘病生活を送りました。幸子は北村の1日前に84歳で亡くなり、夫妻の合同葬儀が執り行われました。長男の正任は毎日新聞社の会長・主筆を務めました。

まとめ

北村正哉は、青森県の発展に大きく貢献した政治家であり、その功績は多岐にわたります。インフラ整備、産業構造の高度化、文化遺産の保護、自然保護など、様々な分野でリーダーシップを発揮し、青森県の発展に大きく貢献しました。彼の情熱と決断は、後世に語り継がれるでしょう。

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