木村庄之助 (26代)

26代木村庄之助: 大相撲を支えた立行司

概要

26代木村庄之助（本名:浅井正）は、1912年1月2日に生まれ、1984年3月27日に逝去した。愛知県出身の彼は、立行司として1973年から1976年まで大相撲界でその名を刻んだ。所属は井筒部屋から君ヶ濱部屋であり、彼の相撲人生は多くの誤審や名勝負で彩られた。

簡単な経歴

木村庄之助は、21代木村庄之助の弟子として1919年に相撲の世界に足を踏み入れた。初めての土俵名は式守正で、その後式守邦雄を経て、5代式守与之吉から6代式守勘太夫へと襲名。1966年に立行司に昇格し、22代式守伊之助となる。1973年には26代木村庄之助を襲名し、1976年に停年退職を迎えた。彼の立行司としての在位日は、伊之助として38場所、庄之助として24場所を合わせて62場所に及び、これは歴代で2位の記録だ。

代表的な取組

木村庄之助は、特に大相撲史における「世紀の大誤審」として名高い出来事を体験した。1969年、彼は前頭筆頭の戸田と横綱大鵬の対戦を捌いた。戸田が押し出しで勝利を収めたように見えたが、彼の足が土俵を越えており、結果的に大鵬に軍配を挙げた。しかし、その後の審判による見直しで戸田の勝ちとして訂正され、大鵬の連勝記録が45でストップした。この取組は相撲界において議論を巻き起こし、ビデオ判定を導入するきっかけともなった。

また、1972年には北の富士と貴ノ花の対戦など、幾つかの場面で差し違えを犯し、その結果、協会への辞表提出を試みるも、短期間謹慎処分で再出場を果たした。彼の現役期間中は、数々の名横綱たちを捌き、立行司としての技量が高く評価されていた。

停年後の活躍

停年退職後の木村庄之助は、相撲界だけでなく一般メディアにもその姿を見せた。特に、1976年のNHK紅白歌合戦で村田英雄のパフォーマンスに参加した際には、その存在感が話題となった。また、NHKの「お達者くらぶ」への出演を通じて自身が経験した誤審について振り返り、大鵬対戸田の取り組みの映像を再確認することで、自身の見解を示した。

賞と評価

彼は1976年に幸田町の名誉町民第1号に表彰され、相撲界内外での貢献が認められている。また、元行司として八百長問題に関する証言も行い、相撲界の健全化に尽力した。26代木村庄之助の弟子には30代式守伊之助や36代木村庄之助がいる。

最後に

26代木村庄之助は、歴史的な試合の数々を支えた偉大な立行司であった。彼の名は、相撲の歴史に長く刻まれ、今日でも多くの相撲ファンに親しまれている。彼の功績やエピソードは、相撲の魅力を語る上で欠かせないものとなっている。

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