木村正俊

木村正俊について

木村正俊（きむら まさとし、1938年 - 2022年9月12日）は、日本におけるヨーロッパ文学の専門家であり、特にアイルランドやケルト文化に関心を持ち、多彩な研究業績を残しました。

経歴

木村は青森県尾上町に生まれました。彼は黒石高等学校を卒業後、弘前大学文理学部で学びます。その後、1961年に青森放送に記者として入社しますが、1965年には職を辞しています。この期間、彼はメディアの世界で培った経験を通じて、取材を実施したり、情報をまとめたりする技術を身につけました。

1960年代後半、木村は早稲田大学大学院文学研究科に進学し、ここで尾島庄太郎をはじめとする著名な研究者の指導のもとアイルランド文化に触れ、その魅力に取り込まれました。またこの頃から、ケルト文化への興味も深まりました。1975年には早稲田大学大学院の博士課程を満期退学し、教育の道へと進むことになります。

1975年、木村は神奈川県立外語短期大学の専任講師として教壇に立ちます。その後、助教授、教授と昇進し、1985年には大学の第5代学長に就任しました。彼の学長としての任期は1991年3月まで続き、その後も2006年に名誉教授として引退するまで、約30年以上にわたり教育現場で重要な役割を果たしました。

研究内容・業績

木村の専門分野には、アイルランド文学、スコットランド文学、ケルト文化が含まれます。彼の研究は広範囲にわたり、多くの著書や編著書が存在します。

著書

• - 『棟方志功の世界 日本美の原点』 (都の森出版社, 1972)
• - 『ケルト人の歴史と文化』 (原書房, 2012)
• - 『ケルトの歴史と文化』 (中央公論新社, 2018)
• - 『ケルト全史』 (東京堂出版, 2021)
• - 『スコットランド通史 政治・社会・文化』 (原書房, 2021)
• - 『ケルト神話・伝承事典』 (論創社, 2022)

共編著

• - 『現代英米小説の担い手たち』 (弓書房, 1985)
• - 『スコットランド文化事典』 (原書房, 2006)
• - 『ロバート・バーンズ スコットランドの国民詩人』 (晶文社, 2008)
• - 『文学都市エディンバラ ゆかりの文学者たち』 (あるば書房, 2009)
• - 『スコットランド文学 その流れと本質』 (開文社出版, 2011)
• - 『スコットランド文学の深層 場所・言語・想像力』 (春風社, 2020)

翻訳

• - T.C.スマウト『スコットランド国民の歴史』監訳 (原書房, 2010)
• - 『ケルティック・テクストを巡る』 (中央大学出版部, 2013)

彼の影響

木村氏の学問は、日本国内外のアイルランド文学やケルト文化の研究に多大な影響を及ぼしました。彼の著作や教育活動は、若い研究者たちに感化を与え、次世代の学問の発展に寄与しました。木村正俊は2022年9月12日に79歳でこの世を去りましたが、その功績は今後も多くの読者や学者に引き継がれていくことでしょう。

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