木村玉光

木村 玉光（きむら たまみつ）

木村玉光は、大相撲における行司の名跡の一つとして知られています。この名跡は、もともと大阪の相撲に由来し、東西が合同した後は、二所ノ関一門の部屋で受け継がれてきた由緒あるものであります。木村玉光は、現在、木村庄之助や式守伊之助を除く名跡の中で、最も多くの歴代行司を誇っています。

歴史的背景

13代目の木村玉之助がこの名跡を名乗ったことから始まりました。彼は中村部屋に所属し、1929年の9月場所が最後の活動となります。その後、彼の弟弟子が木村玉光を継承することとなりました。この名跡は、縁起が悪いという異名を持ち、14代目の玉光はストライキの直後に行った取組で不運に見舞われ、退職を余儀なくされました。

特に、1972年1月場所の差し違えが決定的な出来事となり、以降すぐに辞表を提出することとなった25代目の木村庄之助の不運が影響しています。また、15代木村玉光は、現役時代に肝臓癌により1988年に早逝しました。このような流れから、系統的に本来襲名すべきだった木村光彦も、玉光を名乗らずに別の名跡で活動することになりました。

繁栄と不運

1988年以降、この名跡は長らく空白の時期を経て、2006年5月、18年ぶりに復活しました。新たに襲名したのは、当時幕内格の木村信孝で、彼は放駒部屋に所属し、改名して16代玉光となりました。しかし、再び木村玉光の名跡にも不運が続き、怪我や病気の影響で立行司への昇進を辞退するなど、相次いで苦悩する日々が続くこととなります。

最終的に、2015年1月場所を全休し、その後停年を迎えました。彼は2017年5月に胃体部癌により亡くなっています。このように、木村玉光の名跡には、受け継いだ行司たちの運命が影響していると言えるでしょう。

15代玉光のプロフィール

15代木村玉光（本名：多田登喜男）は、1928年に長野県の上伊那郡飯島町で生まれました。1941年1月に初土俵を踏み、1958年には十両格、1960年には15代玉光を襲名しました。その後、1973年に行司部屋が解散した際には、花籠部屋所属となり、1977年には幕内で裁くようになります。

1988年に肝臓癌で62歳で死去しましたが、その生涯は長い相撲の歴史に深く刻まれています。なお、彼は酒やタバコを好んでいたため、それが寿命に影響したとの噂も存在し、弟子には後の16代木村玉光がいます。

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