木津城 (山城国)

木津城：木津川を見下ろす中世の山城

木津城は、現在の京都府木津川市に位置し、木津川の左岸にそびえる城山に築かれた中世の山城です。築城時期は明確ではありませんが、室町時代の記録にその名を見ることができます。

歴史

木津城の歴史は、室町時代に遡ります。康正3年（1457年）には、畠山義就の攻撃を受けた木津氏が、自ら城に火を放ったという記録が残っています。この出来事は、当時の政治情勢と地域紛争の激しさを物語っています。

応仁の乱（1467年-1477年）の時代には、木津城はその戦略的重要性を増しました。大内政弘が文明2年（1470年）に山城南部へ侵攻した際、大和国の国人である筒井順永らが、大和と山城を結ぶ拠点としてこの城を利用しました。木津城は、交通の要所を抑える上で重要な役割を果たしていたのです。

文明9年（1477年）には、再び木津氏らによって城が焼かれるという事態が発生しました。戦国時代末期になると、木津城は三好三人衆の一人である三好政康の勢力下に入りました。しかし、永禄10年（1568年）に織田信長が京都に入ると、木津城はその役割を終え、使われなくなったとされています。

構造と特徴

木津城は山城であり、自然の地形を巧みに利用して築かれています。具体的な縄張りや遺構の詳細は不明な点が多いですが、木津川を見下ろす位置に築かれていたことから、周辺地域の監視や防衛に重要な役割を果たしていたと考えられます。

現在の状況

現在、木津城の遺構はほとんど残っていませんが、その歴史的な価値は高く評価されています。城跡を訪れることで、戦国時代の息吹を感じることができるでしょう。

参考文献

角川日本地名大辞典編纂委員会『角川日本地名大辞典（28.京都府）』角川書店、1988年
今谷明『戦国三好一族 天下に号令した戦国大名』洋泉社、2007年
* 福島克彦『戦争の日本史11 畿内・近国の戦国合戦』吉川弘文館、2009年

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