筒井順永

筒井順永（つつい じゅんえい）は、室町時代中期から後期にかけて活躍した武将です。大和国（現在の奈良県）の国人領主である筒井氏の当主であり、興福寺の衆徒（僧兵）でもありました。筒井順覚の末子として生まれ、舜良坊（しゅんりょうぼう）という僧名を持っていました。

生涯

嘉吉元年（1441年）、順永の二人の兄、順弘と成身院光宣が摂津河上五ヶ関の代官職を巡って争い、順弘が敗北し失踪するという事件が起こります。この事態を受け、相国寺の僧侶であった順永は還俗し、筒井氏の家督を継承することになりました。当初、光宣はこれに納得しませんでしたが、後に和睦し、共に順弘に対抗することになります。以降、順永は光宣と協力して行動することが多くなりました。

嘉吉3年（1443年）、失踪していた順弘が越智家栄の支援を得て筒井城に復帰を試みますが、殺害されます。その後、大乗院門跡経覚が五ヶ関を直接支配しようと画策し、古市胤仙、豊田頼英、小泉重弘らが光宣・順永兄弟を攻撃し、筒井城に追い込みました。しかし、文安2年（1445年）に光宣兄弟は反撃し、経覚派の鬼薗山城を攻略して五ヶ関代官職を奪還、享徳3年（1454年）には両派は和解しました。

河内国の守護である畠山氏の家督争いでは、順永は畠山弥三郎を支持したため、康正元年（1455年）に弥三郎に勝利した畠山義就に領地を没収されてしまいます。順永と光宣らは浪人となり、細川氏に庇護されることになりました。その後、管領・細川勝元の尽力により、長禄3年（1459年）6月、将軍・足利義政によって赦免され、大和国に帰還を果たします。順永の帰国は、大和国における畠山義就派の国人である越智氏や古市氏らに大きな打撃を与えました。

帰国後、順永は小泉館において小泉今力丸と小泉重栄を討ち取り、失われた領土を取り戻しました。翌年、義就が将軍・義政によって家督を弥三郎の弟・政長に替えられると、順永は政長に従い、義就追討軍に参加します（嶽山城の戦い）。応仁の乱では、引き続き大和国において義就方の越智家栄や古市胤栄らと戦いましたが、文明8年（1476年）に58歳で死去しました。

順永の死後、嫡男である順尊が家督を継承しますが、翌文明9年（1477年）に義就が河内国を制圧すると、大和国も義就派に占拠され、順尊は没落することになります。

筒井順永は、激動の室町時代において、筒井氏の家督を守り抜き、勢力維持に尽力した武将として評価されています。彼の生涯は、当時の社会情勢や武士たちの生き様を色濃く反映しており、歴史研究においても重要な人物として注目されています。

参考文献
大阪府史編集専門委員会 編『大阪府史』 第4巻《中世編　Ⅱ》、大阪府、1981年5月30日

外部リンク
『筒井順永』 - コトバンク
* 筒井氏同族研究会

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